二巻
八話
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けで、終始熱量の高かった模擬戦は、結果からみればあたしとセシリアの惨敗。
だけどこの模擬戦では、悔しいが大いに得るものがあった。
だけど何時か絶対、ぎゃふんと言わせてやるとあたしは誓ったのであった。
「へぇ、そんな事があったのか」
夕食。また何時もの面子五人で今日あった事を話していると、一夏がそんな声を上げた。
「まじで頭おかしいってこいつ。……未来予知でも出来る訳?」
「さすがに未来予知はできないだろう、鳳君」
「鈴でいいわよ鈴で。あたしもシャアと呼ぶから」
「そうか、よろしく頼むよ鈴君」
「こちらこそよろしく、シャア」
手を出すとがっちり握りこまれた。急にどうしたというのだ。
「今日の事、ぜーったいに忘れないから。覚悟しなさいよね」
「……その時を待っているよ」
どうやら鈴には今日の模擬戦はだいぶ堪えた様だ。ここまで敵意を見せられるとは。
「まあ、俺もシャアにリベンジしたいしなあ」
「わたくしも、もちろん追いつきたいですわ」
「とはいえ、これが相手だからねえ」
三人にじっと見られる。視線が辛い。
「まあ、まず私の目標は確りとした専用機が欲しいな。最近、関節部のがたが早く出てくるようになった」
「シャアさんの、専用機ですわね」
「どんなになるだろうなぁ」
「ぜったいまともじゃないでしょ」
三者三様に声が出る。
「まずBT兵器は必要だな。六機あればなお良い」
「スターライトよりも、もっと取り回しの好い実弾兵器なんかもよさそうですわね」
「ブレードも、両刃にしてみたらいいんじゃ?」
「奇抜な兵装より、ちゃんとした取り回しの良い武器が合うんじゃない?」
私の専用機について、皆で議論が進んでいく。
「肩につけるキャノンとかどうよ」
「いや、肩につけるとなると取り回しが悪くなる。片手で持てる武器が望ましいな」
「一夏、それじゃヘンテコ武装じゃん」
「えー、カッコいいと思うんだけどなぁ」
「やはり実利が伴ってないといけませんわ」
キャノン系は宇宙世紀では見かけたが、一年戦争からグリプス戦役が始まるころにはばったり見なくなった。やはり生き残らない物には理由があるのだろう。
「ところで、もし私の専用機が出来たとしたら……」
「したら?」
「夕焼けの様な、赤色にしたい」
「まあ、いいですわね。でもそうなると、名前はレッド・ティアーズに……」
「血涙じゃん、それ」
「しかも相手のね」
どっと笑いが起きる。私も思わず笑ってしまった。
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