暁 〜小説投稿サイト〜
無限の成層圏 虹になった男
二巻
八話
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 「勿論、構わないとも」

 私の言葉に軽くガッツポーズをとるセシリア。何をそんなに喜んでいるのだろうか。
 そのまま食堂に歩いていく。ふと、思いついた事があるので口に出す。

 「そういえば、セシリア君と会ってもう三カ月にもなるのか。早いものだな」

 「早く感じるのは、充実しているから、ですって。……シャアさんに言われると、なんだか嬉しいですわね」

 「これは一本取られたな」
 
 セシリアの言葉に思わず笑ってしまう。

 「しかし、これだと三年もあっと言う間に過ぎてしまうな」

 「そういえば、シャアさんには何か希望する進路が?」

 「正直、これと言って無い。だがな……」

 「やっぱり、何かあるのですの?」

 セシリアの言葉に、少し考えこむ。そして、思った言葉を口に出す。

 「存外、セシリア君と一夏君に教えるのが楽しく思えた。教師というのもありな気がするな」

 「まあ、IS学園の教師!それなら適任かもしれませんわね」

 「だといいがな」

 そんな事を言いながら、食堂に到着する。私は中華そばを選択、セシリアは和食をチョイスした。

 「それで、コブラ機動なら相手の後ろを一気に取れると思うのですの」

 「いや、ISなら強引な空中旋回も可能だ。ただ失速するだけになるだろう」

 昼食の最中は、こういったISにおけるマニューバの議論を行うことが多い。今だ啜ることに抵抗のある私は、ちゅるちゅると中華そばを食しながら続ける。

 「一夏君が鳳君との戦いで見せたベクタード・スラストは見事だった。ああいう戦闘機の空中戦闘機動なら真似できるだろう」

 「なら、ヴァーティカルローリングシザースも?」

 「敵機を振り切るには適した判断と言えるだろうな。他に何かあるか?」

 「では木の葉落としは?」

 「やはり失速するだけだろう。失速を利用したマニューバはあてにならないと考えてよい」

 私の言葉に、セシリアは少し考えこみ、言う。

 「PICを失速の代わりに利用すれば、急激な機動変更も可能でしょう」

 「そうかもしれないな。それはアリーナで検証してみよう」

 そう言いながら、再び中華麺を口にする。日本の食は、イギリスと比べて大分美味い。

 「そういえば一撃離脱戦法も、あまり見ませんわね」

 「ISは特殊な機動をするからな。一辺倒な攻撃の仕方は合わないのだろう。それこそ、一夏君や織斑先生の様な一撃必殺の剣が無ければな」

 「ああ、だからですの。一夏さんにああいう機動を教えたのは」

 「選択肢の一つとしては悪くないだろう」
 
 そんな事を話しながら、食事をする。
 気兼ねなく話せる友がいて、こうやって教えが
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