六話
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何度目の攻撃がいなされた時だっただろうか。
俺のプライベートチャンネルにシャアの言葉が聞こえた。
「何言ってるのあんた!此奴の攻撃力は見たでしょ、先生の許可は取れたの!?」
鈴がそう叫ぶ。それもそうだ、相手は何時でもこちらを殺せる。
「勿論、取ったとも。それに____」
瞬間、中央に鎮座していたもう片方の所属不明機が、跳ねるように飛び出した。
「____相手も、待人が来たと喜んでいる様子だ」
所属不明機が振り下ろしたブレードを、シャアが受け止める。
シャアは戦う気だ。
「シャア!」
俺がシャアに叫ぶ。
「何だ、一夏君」
「相手の動き、どこか機械じみてた」
俺がそう言うと、シャアが笑みをこぼす。
「成程な。では____」
シャアが、所属不明機のブレードをかち上げた。
「____手加減は不要、という事か」
そう言って、シャアが手持ちのライフルを撃った。
それをいとも簡単に避ける所属不明機。それを追う様に、シャアがスラスターを吹かす。
一瞬で高速機動に移るシャアと所属不明機。
複雑なランダム機動で二機が飛び回っていく姿は、俺の理解の範疇を超えていた。
「ね、ねぇ一夏」
「どうした鈴」
それを不思議な気持ちで眺めていると、不意に鈴に話しかけられる。
「さっきまであたし達と戦っていた奴、急に動かなくなったわよ……今ならやれるんじゃない?」
そう言う鈴に、俺は即座に返す。
「いや、辞めといたほうがいいんじゃないか。だってほら、あれ」
そう言って俺が指さす方には、相も変わらず、どのような飛び方をしているのかすらよくわからない二機。
しかし、輪郭は捕えられるようにはなって来た。
単純なスペックでは、シャアの乗る機体は大きく劣っている。
それを時にブレード、時にライフル、そしてBT兵器でカバーしながら飛んでいる。
所属不明機はその有り余った出力で、シャアをどうにか抑えているような形だ。
「あっちにもああ動かれたらさ、もう勝ち目はないよ」
「結局、あのイギリス野郎に任せてじっとしてるしかないってわけね」
幸い、先程まで俺達と戦っていた方はシャアが出てきたとたんに大人しくなり、こちらには目もくれずにシャアと所属不明機の戦いを見守っている。
……いや、何故シャアのデータを集めている?
シャアはそもそも数少ない男性IS起動者の片割れ、欲しがる奴は大勢いる。
なら俺でもよかったはずだ。まずその時点でおかしい。
だがこの所属不明機を送ってきた奴は、そいつらと比較にならない。
何故ならシャアと互角に近い戦いをするものを準備してき
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