六話
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ら死人が出かねない状況でも動じないのは、流石教師といったところなのか。
「織斑先生、今珈琲に入れたの塩ですけど」
「……なぜ塩があるんだ」
前言撤回、使えない大人が二人増えた。しっかりと動揺している。
しかし、所属不明機が二機……いや、何かおかしい。
「セシリア君」
「はい。一夏さんと鳳さんに対峙しているのが一機、もう一機は……何かを待っている?」
セシリアもピンと来たようだ。所属不明機二機の内、片方はアリーナ中央でじっと佇み、もう片方は一夏と鳳と戦っている。
いや、あれは戦いになっているのだろうか。鳳と一夏の波状攻撃を完全に避けきっていて、攻撃はしない。
否、もう片方に危害が加えられそうになった時に、能動的に攻撃に転じていた。
ともすると、やはり結論は……
「誰かを待っている、か。少なくとももう一機が追加でやってくると言う訳ではなかろう、只の待ち合わせにしては大仰だ」
織斑先生が、塩珈琲を山田先生に押し付けて会話に参加してきた。少しは落ち着いたのだろうか。
「となると、待ち人は誰か、という話になるが……」
そう言いながら、織斑先生は此方を見た。
いや、織斑先生だけじゃない。この場にいる全員が私を見ている。
「……まあ、そういう事でしょう。織斑先生、このアリーナは現状、隔離されているとみて間違いないですか?」
「遮断シールドはレベル4、全ての扉がロックされている」
「政府への助勢は」
「既にやっている、精鋭がシステムクラック中だ。完了次第、学園の部隊が突入する手筈だろう」
私とセシリアの問いに、織斑先生がそれぞれ答えた。できることはやっているのだろう。
「とはいえ、時間は掛かる。それにその間、素直に大人しく待っていてくれるわけでもないだろうしな」
そう言って、只案山子の様に佇む一機の所属不明機を見やる織斑先生。そうだろうな。
だとすれば、私のすることは一つだ。
「織斑先生、出撃の許可を貰えますか」
「シャアさん!?」
セシリアが驚いたように声を上げるが、今はそれを無視する。
「……何処の誰か、狙いは解らん。ともすれば、男性IS起動者の抹殺が命令されているのかもしれない」
「それならば、今一番危険なのは先生の弟君です。ですが現状、それらしい手は打ってきていません」
「相手の思惑が分からない状態で、貴様が出るのか」
「無論」
織斑先生の言葉に私が返す。
「出たからには、全て撃墜してみせます」
私の言葉に、漸く織斑先生は出撃の許可を出した。
「一夏君、鳳君。私が出る」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ