五話
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「その情報、古いよ」
声の方向に目を向ける際にちらっと一夏の顔が見えたが、とても驚いた様子だった。
「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないから」
そのまま声の方向に目を向けると、教室の入り口で腕を組み、片膝を立ててドアにもたれこんでいるツインテールの小柄な少女。
「鈴……?もしかして、鈴か?」
「そうよ、久し振り!中国代表候補生、鳳鈴音が宣戦布告に来たってわけ」
一夏の言葉に、鳳がそう返した。どうやら一夏の知己らしい。
「何かっこつけてんだ。すげぇ似合わねぇぞ」
「んなっ……何てこというのよ、あんたは!」
その会話からは、気の置けない仲であったことが伺える。
しかし、中国の代表候補生といつ知り合ったというのだろうか。
「おい」
「なによ!?」
鳳の聞き返す言葉に帰って来たのは、出席簿による痛烈な打撃であった。
「もうSHRの時間だ。教室に戻れ」
「ち、千冬さん……」
「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、そして入り口を塞ぐな。邪魔だ」
「す、すみません……」
一夏君と深い仲なら、織斑先生とも知り合いか。しかし、苦手意識を持っている様だな。
「また後で来るからね、逃げないでよ一夏!」
「さっさと戻れ」
「は、はいっ!」
鳳はそれだけ言うと、二組へ向かって走り出した。とても個性的な子の様だ。
「っていうかあいつ、IS操縦者だったのか。初めて知ったな」
どうやら一夏は鳳の事を今初めて知ったようだ。しばらくは離れていたのだろうか。
「……一夏、今のは知り合いか?偉く親しい様だったが」
「織斑君中国の代表候補生と知り合いだったの!?」
「ねえねえ、どんな関係!?」
箒やクラスメイトが一夏に詰め寄る中、私とセシリアはすっとその場を離れ、自分の席へ向かった。この後起こることが想像できたからだ。
バシン!と複数回にわたって奏でられる出席簿の音。音源は勿論織斑先生だ。
「席に着け、馬鹿ども」
まあ気持ちは解らなくはないが、あまり体罰に頼るのもどうだろうか。そんなことを考えながら、私はSHRに備えた。
昼休み、私達は凡そ何時もの面子といっても差し支えない、一夏、セシリア、箒と四人で学食へ向かった。
途中、一夏が箒に詰め寄られていたが、いったい何を考えていたのだろうか。
そんな事を考えながら食券を買おうとしていると、目の前に影。
「待っていたわよ、一夏!」
鳳が立ちふさがっていた。どうやら
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