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無限の成層圏 虹になった男
四話
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る。咄嗟では難しいだろう、セシリア君」

 「ひゃ、ひゃいぃ……」

 昔、ジオングに乗っていたときはアムロにしてやられた。ハマーンにやり返してみたら、こっぴどくやられたなと考えていると、セシリアが赤面しながら声を上げる。

 「顔!近い、近いですわ!こんな距離でいきなり考え込まないで!」

 「おっと、すまなかったな」

 思春期の女子には、少し辛かっただろうか。

 「まったく、元々顔もいいのですから……」

 「どうした、セシリア君」

 「んんっ、なんでもありませんわ」

 セシリアが何かぶつぶつとつぶやいているので聞き返すと、そう答えられた。
 まあいい、今は研究会だ。
 
 「将来的には、どんな動作からでもこの攻撃が出来る様になるのが目標だ。次は私の訓練に付き合ってくれ」

 「訓練って、何をするのですの?」

 「ちょっとな。……一夏君!少しいいか!」

 「なんだー!」

 一夏を呼ぶと、彼はマニューバの練習をやめ此方によって来る。

 「再び実践だ一夏君。また私がBITを放つので、それを避けて欲しい」

 「あいよ、そろそろ一回試してみたかったんだよな」

 「それで、わたくしは何をすればいいんですの?」

 一夏にそう言うと快く了承してくれたが、今度はセシリアが聞いてくる。

 「なに、簡単な事だ。セシリアは全ての武装を駆使して私を狙ってくれればいい」

 この世界に於けるISは、私が元の世界で扱っていたモビルスーツと違い実際に体を動かして操作する。
 その差を、思いっきり体を動かして認識・修正する。それが今回私がやりたかった事だ。

 「……なあ、セシリア」

 「なんですか織斑さん」

 「織斑先生と被るから一夏でいいよ」

 「……なんですか一夏さん」

 「強くなるって、こんなつらい事なのかな」

 「この人が例外なだけですわ。化け物ですわよ化け物」

 ホロリと涙を流す一夏、突然私を化け物呼ばわりしてくるセシリア。いったい何が彼女等の癇に障ったというのだろうか。

 「この後は夕食と一夏君のクラス代表就任パーティがあるだろう。それまでは付き合ってもらうぞ」

 「ええい、わかったよ!せめて____」

 「____その余裕そうな面構えだけでも、?がさせて見せますわ!」

 そうして、一夏とセシリアは距離をとった。いい面構えだ。
 結局、夕食まで私に攻撃を当てることはできず、一夏は散々いたぶられる羽目になったが。
 彼らの言ったことが現実になったかは、想像に任せることにしよう。

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