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無限の成層圏 虹になった男
一巻
一話
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と呆れすら感じる。
 しかし、それ以上に。
 BT兵器という脳波で操作する兵器を操る能力に、強い感受性。
 この少女には、どうしても一人の少年を思い起こさせられる。










 「この、ちょこまかと!」

 イギリスのアリーナ。
 そこでわたくし、セシリア・オルコットはスターライトを撃つ。
 しかし、かすりもせずレーザーはアリーナを覆う遮断シールドに吸い込まれた。
 間髪入れずに鳴る警告音。
 すぐさまスラスターを吹かすと、先ほどまでいた場所にレーザーが二本過ぎ去っていく。
 そのまま後退していくと、正確無比にレーザーが数瞬でわたくしのいた所を薙ぎ払っていく。
 そして、前を見るとBT兵器を自在に操りながら接近してくる男の影。

 「ッ! インターセプター!」

 左手で近距離用の武器を手に取り横に薙ぎ払うのを、男はまるで分かっていたかのように潜り抜ける。
 瞬間、腹部に重い衝撃。すぐさま自分が蹴られたことを理解し、スラスターにて機体制御。
 体勢を立て直すと、目の前の男はそれを待っているかのようにただ佇んでいた。

 「そうやって目の前のものにとらわれるとそうもなろう。ハイパーセンサーは確かに使い勝手はいいが、相手の動きをよく考え予測することだ」

 目の前の男がそう言う。
 足蹴にされた怒りも、余裕を持ったあり方にも、もう微塵も怒りが湧いてこない。
 当然の様にBT兵器を起動しながら操り、正確な射撃。瞬時加速(イグニッションブースト)を併用した狡猾な攻め。
 それを今初めてISに乗った男が、繰り出してくる。
 怒りに始まった模擬戦は、困惑、恐怖へと変遷し、やがて尊敬へと変わった。
 どうして貴方は強いのか。
 否、どうして貴方はそこまで強く在れるのか。

 「そら、次の一手だ」

 そう言いながら男、いや、シャア・アズナブルはプロト・スターライトを撃つ。
 狙いはわたくし……そして、同射線上にあるこちらのBT兵器。
 無我夢中で機動し、わたくしはそこで初めてBT兵器と自身の同時機動に成功する。

 「そうだ。君の空間認識能力では、BT兵器との同時機動はできるはずだ」

 簡単に言ってくれる──
 そう考える暇もなく、BT兵器との連続攻撃に翻弄される。
 そうしているうちに、シャア・アズナブルとの距離が離れていくことに気が付く。
 まずい、このままでは──

 「そら、君の得意の射撃戦だ」

 そう言いながらシャア・アズナブルはプロト・スターライトを撃った。
 BT兵器とともにちりばめられたレーザーを体をひねる様に避け、手の中のスターライトを撃つ。
 射撃が完了しているころには、もう回避行動をとられていた。
 化け物、と毒づきなが
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