一話
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「……ここどこ?」
知らない天井だ……と、言いたいところだがそんな悠長なことは言ってられない。目が覚めたら辺りが真っ白なのだ。それで落ち着いていられる程俺は神経が図太くない。結果……
「やだ……帰りたい……家に帰ってゲームしたい。ご飯が食べたい……」
三十分と持たずに塞ぎ込んでしまった。人間は話し相手がいないと気が狂うとか何とか書いてあった気がするが、もしかしたら本当だったのかもしれない。とりあえず、誰かと話がしたかった。
「何だか大変なことになってるな……」
そんな所に、自分以外の誰かの声が聞こえてきた。これは神が救いを与えてくれたのかと、声がした方へ勢い良く顔を向けた。すると……
「やほ〜」
なにやら白い法衣の様なものを来た白髪の爺さんがいた。
「はぁ……つまり俺は死んでいると?」
「その通り。だが、君はラッキーだぞ。なんせ私の所に魂が迷い込んできたんのだから」
何を電波なことを……と思わなくもないが、この悪夢(仮)は当分覚めそうにない。今話し相手を失うのは辛い……しょうがなく爺さんに付き合う。
「それで……転生ってのをさせてくれるんだっけ?」
「そうそう、しかも何か好きな能力のオマケ付きだ!」
「ふ〜ん」
死んだとか魂とかだけでなく転生ときた。これはもう間違いなく世にはびこるSSの超テンプレ的展開だろう。いやまったく、悪夢(仮)とはいえ自分がこんな状況に至るとは……貴重だ。
「何でもいいのか……それならやっぱり、アーチャーの能力 がいいな」
「アーチャー? ふむ、少し待て。……えー、この義留亀 とかいう奴か?」
「違う違う! そっちも捨てがたいけど俺の言ってるアーチャーは赤い方、エミヤって奴の方だ」
「エミヤか……どれどれ。ほほぉ……随分と人気な奴を選んだな」
「そりゃ、あの背中に憧れない奴はいないって」
格好いいもんなぁ……俺もあんな風にできたら今頃モテモテだったろうに。
「色々考えとるとこすまんが、もうちっと詳しくエミヤの何が欲しいのか教えてくれ」
「ん? ああ、そうだな……」
何やらそこらの転生SSと若干進みが違うような……まぁ悪夢(仮)だし気にすることでもないか。
「とりあえず、固有結界とそこから派生する魔術、投影や強化を完璧に使いこなせるように。後はあの類いまれな弓術は必須だな。アーチャーだし」
「まぁ、問題なかろう」
「そういえば、魔力ってどうなんの?」
「まけにまけてエミヤの二倍が限度だ」
二倍か……でもぶっちゃけ魔力がどの程度あるのかよく分かんないんだよな……まぁいっ
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