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試作作成
第三章

[8]前話
 その試作機を運用してみて空軍上層部はストコビッチのものを対外戦争用、コルシコワのものを防空用とした。だが。
 そこまでの時間とコストを振り返ってだ、ストコビッチは量産がはじまった両機の状況を見つつコズイレフに話した。
「試作機を生み出すまでがな」
「大変でしたね」
「そうだったな」
「全くですね、私達はあれこれ考え議論して」
 コズイレフも確かにと頷いた。
「そしてです」
「そのうえでな」
「時間をかけ」
「色々議論もした」
「そうでしたね」
「そして試作機一機製造するにもな」
 それにもというのだ。
「予算がかかった」
「かなりの」
「それを一機造るだけでな」
「全くですね」
「むしろ量産される今の方がな」
「楽ですね」
「そうだな、量産されるには採用されることが必要だが」 
 それでもというのだ。
「やはりな」
「それでもですね」
「その採用される試作機を開発するまでがだ」
「最も大変ですね」
「そうだな、これは戦闘機だけでなくな」
「他の兵器もで」
「その他のものもだな」
 ストコビッチはさらに話した。
「試作のものを出すまでがな」
「最も大変です」
「最初がな」
「その通りですね」
 仕事を終えた二人は今は特に衝突することなく穏やかに話していた、そしてだった。
 コズイレフはそのやり取りの中でストコビッチの言葉に頷いた、そうしてこうも言ったのであった。
「何でも最初です」
「一番大変なのはな」
「あらゆることが」
「そうだ、それまでが最も苦労してな」
「時間もお金もかかる」
「最初こそがな」 
 こう言うのだった、そしてそのうえで今は量産を見守った。そちらは順調で二人は落ち着いて見守ることが出来た。


試作作成   完


                 2024・8・13
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