八話 破滅と希望の光
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るんだ」
優しい妻は、イヴの生まれを自分の事のように泣き、幼い娘は、姉が出来ると喜んでいた。
「世界を変えるなんざする力も無ければする気もないけど、君の事は大事に思ってる。嘘じゃない。余り本人には言わないが、アズラエルは悪友だし、俺の妄想と言われたガンダム計画を最初から手伝ったソンネン先輩も、大事だ」
でも、この世界は俺の『大事』を気にしない。
しつこく妻に粘着する記者をどついて、アズにゃんにもみ消して貰ったことがある。
南米出身のソンネン先輩の家族を守るため、同期に圧力かけてもらった事ももあった。
自分から動かなければ、何もかも奪っていくこんな時代。
だからこそ手に入れよう。
奪うためでなく、守るために、地位を権力を。
たとえその過程で、泥をいくらかぶっても構わない。
だから、おれの力の及ぶ限り守るから。
俺にお前を守らせてくれ『イヴ』。
「戻ってこい。そんな暗い所にいないで」
一言に収まらない想いを乗せて、精一杯華奢な身体を抱きしめる。
その時、ジョンは、イヴの体温とは別の何かを感じた。
ジョンがイヴを想い抱きしめたと同時。
その時、近くにいたソンネン中尉とガンダムの母艦は、カメラに映らない、不可思議なものをみた。
それは、全てを暖かく照らす、虹色の光。
『……そう、君にも帰れる場所があるんだ』
『……行け、この世界を忌まわしいものにしないためにも』
光に包まれた二人を、誰かが押し上げてくれた、気がした。
不思議な話だが。
この光は何故かこの宙域すべての者の目に映り。
その光を見た人々は、理屈を越えた、何か暖かいモノをその心に感じたという。
八話 破滅と希望の光 了
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