第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第3話 桃花
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ら、手と口が使えます。それに、あまり優秀ではないけど、ヘルメットの台の代わりではない頭と、銀紙を丸めて突っ込んである訳ではない眼。それに、メガネを掛ける為だけに使用する訳ではなく、ちゃんと他人の言葉を聞く事の出来る耳も持っていますから。
おっと、イカン。少々、思考がずれたな。
それにしても……。まぁ、確かに普通に考えたら、魔法使いが呪文を唱える間の護衛が、使い魔の重要な仕事に成るとは思いますが……。
「この国は、魔法使いが火トカゲを連れて歩く必要が有るほど、危険に満ち溢れているのですか?」
この部分もかなり疑問だった部分。
そもそも、ルーン魔術を操る魔法使いに早々危険な事などないと思うのですが。
第一、呪文の高速詠唱は、戦いの場に赴く魔法使いに取っては必須ではないのでしょうか。
えっと、俺が経験した戦闘で言うなら、呪文の高速詠唱と、ついでに精神力切れ。つまり、戦闘中の霊力切れを防ぐ事は魔法使いに取ってのイロハのイ。初歩の初歩でした。
ですから、魔法は一発の威力がデカいけど詠唱に時間が掛かったり、精神力の消耗が激しかったりして、一日に一発しか使用出来ない魔法だけしか持っていない魔法使いは、戦いの場では魔法以外の技術を磨いていない限り役には立たなかったのです。
もっとも、研究者型の魔法使いなら、戦いの場に出て来る事もないので、その範疇には収まらなかったのも事実なのですが。
「確かに街中では危険な事は少ないわね。でも、街道から外れたり、その場所が辺境だったりした場合、危険な魔獣や亜人。それに盗賊などの類と遭遇する可能性も少なくはないわ」
キュルケが至極当たり前のような顔をしながらそう答えた。
但し、その言葉に対して、タバサの方が何か言いたげな雰囲気なのですが。
おそらく、この部分に関しては何か理由が有るのでしょうね。多分、ここでは話せない内容に当たる理由が。
それに、キュルケの台詞の中に有った、危険な亜人と言うのは……。
「もしかして、鬼。オーガやトロール。狼男や吸血鬼がこの国には居る、などと言う話なのでしょうか?」
そう言えば、使い魔を召喚し終わった生徒の中にも、魔獣や幻獣に分類される使い魔は存在していました。
そして、あれらが、俺のように異世界から召喚された存在だと言う保証は何処にも有りませんでしたか。
「なんだ、知っているんじゃない」
最初と違い、ひどく馴れ馴れしい態度でそう答えて来るキュルケ。
……って言うか、魔物の種類を知っているのと、この世界の治安のレベルを知っているのとでは、意味が違うと思うのですが。
まして、俺の居た地球世界の裏側にも、確かに、先ほど示した異種と言う存在はいましたよ。ですが、街道、現代の日本語的に表
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