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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第3話  桃花
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のは、所謂、ドワーフ系の姿形を持ったノームです。小さな身体なのですが、がっしりとした身体つき。手先が器用で、髭に覆われた顔。後は、ハンマーやオノが良く似合いそうな雰囲気の精霊と言う事です。

「俺の式神。大地の精霊ノーム。彼になら、集められない宝石や貴金属は有りません」

 俺は、タバサと、ついでにキュルケにそう説明する。
 そして、続けてノームの方に向き直り、

「ノーム。すまんけど、明日の朝までに集められるだけの宝石を集めてくれるか。
 報酬は前払いの金で支払うから」

 そう言いながら、懐から何の変哲もない財布を取り出し、中から数枚の金貨を取り出してノームに手渡す俺。
 尚、この財布は、普通の財布と言う代物では無く、壺中天(コチュウテン)と呼ばれるモノと同じ原理を使用したモノで、見た目よりは多くのお金や、貴金属を収めて置ける便利な財布で有ります。

 それに、基本的に式神使いですから、式神を増やす為には、交渉用に金やその他の宝石の類は有る程度の数は持っていなければならないので、こう言う宝貝を師匠に貰ったのですが。
 ……ちなみに、自分で製作する事は未だ無理です。

 いや、今のままでは一生無理ですか。故郷に帰らない限りは、未だ教わっていない神火の扱いや八卦炉の作成方法など、宝貝(パオペイ)作成に必要な知識を得る方法がないのですから。

 俺の依頼に対してひとつ首肯いた後、足元から大地に消えて行くノーム。
 その様子を見ていたタバサと、そして、キュルケからまたもや驚いたような気が発せられた。

 ……って言うか、ふたりとも大したものですね。流石に、駆け出しとは言え、魔法使いは魔法使い、と言う事ですか。
 ノームクラスでも、ちゃんと実体として捉えられる目を持っていると言う事なのですから。

 レベルの低い式神は、普通の人間には見えないものなのです。そもそも、受肉している存在ではなく、魂魄のみの存在ですから。
 西洋風の表現で言うとアストラル・ボディと言う存在ですか。

 しかし、このふたりに関しては、少なくともノームクラスまでなら、自分の目で確認する事が可能と言う事でした。もしかすると、現状でも幽鬼に属する連中さえも視認する事が可能かも知れませんね。

 つまり、ある程度の魔法使いとしての才能は有していると言う事なのでしょうね。

「そうしたら、最後は魔法使いの護衛なんだけど……。その点に関しては問題無さそうね」

 何か、呆れた……と言うか、やや羨望に近い雰囲気を発しながら、キュルケが俺の方を見つめてから、そう話を締め括った。
 もっとも、羨望の眼差しを受けても当然かも知れませんが。
 少なくとも、キュルケが召喚した火トカゲよりは小細工が得意ですからね。

 一応、人間体ですか
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