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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第3話  桃花
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魔がここに誕生して仕舞ったのですよ。
 これは、多少、問題が有ると思いますよね。

「そもそも、基本的に、この国の魔法使いの使い魔とは何を為せば良いのでしょうか?」

 最初からかなり疑問だった質問を行う俺。

 その俺の質問を聞いた直後、何故か……。いや、これは当然か。

 当然のように沈黙に支配される空間。おそらく、俺のあまりにも初歩的に質問にふたりが呆れ……。
 その桃の香と、春の陽光に支配された空間で、時計の秒針だけがゆっくりと進み続けた。

 そして、

「先ず、使い魔には主人と視覚や聴覚を共有する能力が与えられるわね」

 一応、生活習慣が違う遠方の国から召喚されたと言う、俺の話を信じてくれたのでしょうね。この、あまりにも初歩的な質問に対して、キュルケが答えを返してくれる。
 但し、多少、呆れたような雰囲気が漂って来ているのですが……。

 もっとも、これは仕方がない事だと思うのですが。何故ならば、これから色々と質問を行う心算だった矢先に、突如、キュルケが乱入して来て、余計なイベントをクリアーする事を要求された訳なのですから。

 ……しかし、視覚や聴覚の共有ですか。

 厳密に言うと、これは不可能な事では有りません。
 但し、こんな場面で話しても良い内容ではないのも事実。タバサ一人にだけなら告げられる内容と言った方が正しいですか。
 まして、これは、おそらく俺とタバサの間に、俺の方から霊道を開く必要が有ります。

 これは、おそらくは主と従の入れ替え。俺の見たヴィジョンを、タバサの方に送る、と言う作業に成ります。
 つまり、俺の見た映像や聞いた音を全て彼女に送る訳では無く、取捨選択を俺が行った上で、彼女に送ると言う方法なら存在していると言う事。

「それは難しいですね」

 一応、キュルケにはそう答えて置きますか。確かに彼女はタバサの親友だと自らも、そしてタバサの方からも認識される存在です。ただし、俺の能力を全て教えて良い相手でも有りません。
 俺に取っては、キュルケとは主人の親友でしかないのですから。

「それなら、使い魔は、主人に必要な物を集めて来る能力を持っている可能性も有るわ。例えば宝石とか貴金属とか。後は薬草の類などをね」

 視覚や聴覚の共有など、人間……それも男女間では必要ないと思ったのでしょう。その点に関しては何も言わず、更にキュルケはそう続けた。

 ふむ。それぐらいの事ならば……。

「ノーム」

 本日、四柱目の式神を召喚する俺。
 毎回毎回同じような登場方法と成るのですが、カードから写し取られた召喚円とノームを指し示す納章が大地に写し取られる。
 そして、次の瞬間に顕われる大地の精霊ノーム。尚、俺が式神契約を交わしているノームと言う
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