第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第3話 桃花
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た。
「私の暮らしていた国でも、かつては華族制度。公・候・伯・子・男の五つの爵位は存在して居りましたが、現在では全て廃止され、それが例え旧華族の家柄の人間で有ったとしても普通の人として扱われて居ります」
一応、そう答えて置く。もっとも、これは事実なのですが。
しかし……。
成るほど。これで、俺の家系が嘗ては武士と言う騎士階級で有ったと言った時に、評価が多少変わった理由が判ったような気がしますね。現実に貴族階級が支配する世界なら、身分と言う物は非常に大きいはずです。
……と言う事は、あの契約のくちづけは、マジで貴婦人により俺を騎士に任じる、と言う意味も込められていた可能性も有ると言う事ですか。しかし、同時にこれは厄介な状況だとは思うのですが。
西洋風のイカサマ臭い、名目上だけに存在する騎士道とやらを実践させられる可能性が出て来たと言う事ですから。
「それは、私の家系の士族……騎士に近い家系も同じです。士族の出身で在ろうとも、そこに違いは有りません」
もっとも、未だに世襲制がまかり通っている部分も色々と有るのですが。例えば、政治家の子供は政治家。医者の子供は医者。エトセトラ、エトセトラ。
これは、とある国の、ちょび髭の伍長さんの言うように、世界の二極化が進んでいると言う事なのかも知れないな。持つ者と持たざる者と言うように。
おっと、現代社会に関しての考察は、今は意味が有りませんでしたか。
「それでは、改めてお願い致します、異国の騎士シノブ。
我が親友、タバサの力に成って上げて下さい」
キュルケはそう言いながら、少し頭を下げた。そして、その彼女の言葉は、彼女の心からの言葉で有る事が、俺には感じられた。
これはキュルケが、俺の能力を完全に認めてくれたと言う事なのでしょう。
但し、未だに良く判らない部分が有るのですが……。
「そう言う約束でタバサと使い魔契約を結んだ訳ですし、そもそも、一度交わした契約は、簡単に反故には出来ないのです。私は特に。
それに、実はこの国の使い魔契約の仕組みも良く判らないのですが……」
俺の式神と同じ仕事なら戦闘メインなのですが、最初の使い魔召喚を行ったばかりのタバサと言う名前の少女に、そんな生命の危険が伴う戦闘が有るとも思えません。
それに以後の生活に関しては、タバサが面倒を見てくれると言う約束ですから、俺が心配する必要はないと思うのですが……。
オマケとしては、ヒモ生活に多少の憧れと、漢の浪漫は感じていますしね。
ただ……。使い魔契約を交わす際に、羊皮紙に記された契約内容を詰める作業が有ると思っていた俺の方が悪いのですが、ほぼ不意打ちに近い形で使い魔契約が為されて仕舞い、覚悟をまったく伴わない、中途半端な使い
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