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第二話 斬獲のシュラネス
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らん』

『ふざけるな!まだ戦ってすらいねえだろ!!』

その発言に対して、黒衣の剣士は声を出して笑った。

『何がおかしい!』

『相手と自分の力をまだ見極められないようだな。その程度で世界を変えるなど、
笑い話じゃなければなんだと言う』

だが、と言葉を付け足し

『せっかくここまで来てくれた客人として、相応の歓迎はさせて貰おう』

『やっとその気になったか?』

ジェイルは腰を少し落として、黒衣の剣士を見据える。
だが、

『テメエ、何故構えない!』

黒衣の剣士は両手を左右に広げ、表情こそ見えないが、笑みを浮かべてこう言った。

『貴様ごとき雑草、構える必要すらない』

ジェイルは怒りを爆発させ、地を激しく蹴り、一気に駆け抜けた。


※※※※※


エントランスの中心に、アッシュはいた。
辺りを見渡すと、気を失った兵士たちの姿があった。
彼は一瞬だが、安心する。
だが、事はそれほど単純ではない。
紋章騎士団の巣窟に、真正面から向かったということ。
それもたった一人で。
ジェイルの力を信じていない訳ではないが、それでも不安が頭をよぎる。

『ジェイルはなんとかやれてるみたいだな』

その時だった。
不気味な足音だけが前方から聴こえる。
アッシュはこの時点で確信した。
それは、接近しているのは、そこらにいる兵士とは全く違うということ。
足音が次第に大きくなり、ついにその姿を現す。

『探しものはコレのことか?』

そういうと、声の主はあるものをアッシュに投げ渡す。
彼はそれを両手で受け取った途端に言葉を失った。
そして、思わず地に両膝をつける。
目の前の現実を信じられず、震えるような声で口を開いた。

『そんな・・・ジェイル!?』

そう、それはジェイルの首だった。
恐らく勝負は一瞬で決まったのだろう。
変わり果てた親友の姿に、アッシュは頭が真っ白になる。
幼い頃からずっと一緒だった友の死。
受け入れられる筈もない。
だが、そんなアッシュに構うことなく、黒衣の剣士はこう言った。

『ようこそグランドクロスへ。だが、少し早すぎたか。今のお前ではここまでが限界だ』

黒衣の剣士は後ろを振り向き、来た道を戻ろうとするが、

『テメエ、待ちやがれ』

アッシュは震える声で、彼を静止させた。
だが、全く動じることもなく、男は振り返り

『気付け。お前など初めから俺の相手ではない』

『そんな問題じゃねえよ!?』

アッシュの目が尖り、彼は風を周囲に放ち、怒りを爆発させる。

『勝ち負けの問題じゃねえ。やるかやらねえかだ!』

『三流が。こうも命を投げ捨てるとはな』

アッシュは剣を構え、男を睨みつけ
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