第63話
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いた実験装置。かのC・エプスタインが手掛けた8つのプロトタイプ・オーブメント――――――”オクト=ゲネシス”の一つだろう。――――――今も現存しているなどついぞ聞いたことがなかったがな。」
クロンカイト教授がゲネシスの事について説明した後興味ありげな様子でゲネシスを見つめていた。
「…………まさかエプスタイン博士の手掛けた導力器に触れられるなんて…………アニエスさん、どうして貴女がこれを…………?」
「…………それは…………」
「おっと、悪いがそこまでにしてもらおう。たとえアンタらが”三高弟”繋がりでもな。見せる前に言った通り、存在自体もここにいるメンツ以外は他言無用で頼むぜ。」
カトルの疑問にアニエスが答えを濁している中ヴァンが制止の言葉をかけてカトルとクロンカイト教授に念押しした。
「ああ、約束は守ろう。だがなるほど――――――君達がバーゼルに来た理由は何となくわかった。それでは対価の支払いといこう。キャラハン教授の研究内容についてだったな。」
「ああ、あの先生はカルバード両州軍の現世代兵器の開発者って話だったな。やっぱり軍事技術方面なのか?」
「専攻はあくまで物理工学だがな。ある意味、今回彼がやっているのはそちらの難題に挑戦するようなものだ。”とある思考実験”における物理現象を兵器として利用するというな。」
「…………!」
「しこうじっけん…………?」
「ハン…………?」
(…………まさか…………)
クロンカイト教授の説明の意味を理解できたカトルが目を見開いている中理解できていないフェリとアーロンは不思議そうな表情を浮かべ、心当たりがあるリゼットは考え込んだ。
「マルドゥックの人間ならば一応、聞いたことくらいはあるか。無論、あくまで空想上の産物――――――最新技術であっても実現不可能な兵器だ。――――――それこそ何らかの”ブレイクスルー”でもない限りは。話せるのはここまでだ――――――私はそろそろ戻らせてもらう。」
「ッてオイ…………!?」
「よくわからないんですが…………」
「発表前の他人の研究内容をみだりに触れ回る趣味はないのでね。先ほどの”骨董品”の対価として十分なヒントは与えたつもりだ。あとはそこに弟弟子が辿り着くだろう。」
去り際にカトルに視線を向けたクロンカイト教授はその場から立ち去った。
「やれやれ、研究者としての一線は譲らないってワケか。」
「…………ヤン兄らしいです。」
「カトル君…………それで、先ほどの話は…………?」
クロンカイト教授が立ち去った後ヴァンとカトルは苦笑し、アニエスはカトルにクロンカイト教授の話について尋ねた。
「”思考実験”つったか――――――どんな内容なんだ
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