第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第2話 タバサと言う名の少女
[9/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
仙術の師匠。つまり、仙人と言う存在です。
「そのクラスや系統と言う表現が良く判りませんが、お嬢様が、私めの魔法をご覧になりたいと仰られるのなら、喜んで御見せ致しましょう」
恭しく映画や演劇でお馴染みの中世貴族風の礼を行いながら、口ではそう答える俺。但し、火トカゲに対して、
【頭が高いぞ、下郎。鱗有るモノの王たる俺の前で、平伏せねば、どうなるか判っているのか!】
……と【念話】で一喝を行う。更に続けて、
【キサマの主の罪は、キサマの罪。よって、俺の許しが有るまで、ずっとそこで平伏し続けていろ】
コイツが火トカゲ。つまり、龍族の端に連なる存在なら俺の命令には絶対に服従する。俺と言う存在は、そう言う存在ですから。
……人間に擬態した龍。それが、俺の正体。
もっとも、かなり中途半端な存在で、残念ながら、擬態した姿のままでしか活動する事が出来ないのですが。
つまり、龍体となって全能力を行使する事は不可能と言う事。
但し、そんな事など今は関係ないですし、そもそも、そこまでの危機に陥る事もないとは思いますが。
さてと。そうしたら……。
赤毛の少女の召喚した火トカゲから視線を外した俺が、視線を上げ周囲を見渡す。
辺りは、草原。つまり、草が生えている地と言う事。ただ、すく近くには、雑木林が有りますね。
ならば、あの仙術が行使可能ですか。
「それでは、あそこの雑木林の入り口まで着いて来ていただけますか」
そう言ってから、恭しくお辞儀を行う。
それに、大体五十メートルぐらいですから、そんなに離れている訳では有りません。
そう思い、タバサの隣に立って、彼女の歩を進めるペースに合わせながら進む俺。
しかし……。
「どうしたの、フレイム。何故、あたしの言う事を聞かないの」
しかし、後に続くはずの赤毛の少女が、何故か着いて来てはいません。一切、動こうとしない自らの使い魔の前で途方に暮れているから、なのですが。
もっとも、この状況は、俺としては当然だとは思っているのですが。彼女と、あの火トカゲがどのような使い魔契約を交わして居るのかは判りませんが、種として持っている特性を捻じ曲げるような契約ではないと思いますから。
もし、そんな契約ならば、悪い点に関しては改善される事と成りますが、良い点も捻じ曲げて仕舞う可能性が有ります。
流石に、そのような契約を結ぶ訳がないでしょう。
突然、それまでゆっくりとだが歩を進めていたタバサが立ち止まる。まぁ、赤毛の少女が付いて来ないのだから、これも当たり前と言えば当たり前の事なのですが。
但し……。
「キュルケ。キュルケ・ツェルプストー」
何故か、俺の事を真っ直ぐに見つめながら、彼女がそう言
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ