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『彼』とあたしとあなたと

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ず来る。今日か?明日か。40年くらい先よと日紅は笑うが、そんなの『彼』にとっては今日明日も同じこと。



 『彼』はやりきれない思いで日紅を見る。



 いつか。…いつか、日紅と同じくらい、いやそれ以上のヒトが現れるだろうか。そうして、『彼』に手を差し伸べてくれるのだろうか。



 だとしたら、それはいつ?何千年、何億年先のこと?不確かな未来を当てにして生きられるほど、『彼』は強くない。



 だからといって、死ねもしない。



「…日紅…」



 日紅よりも、『彼』の方が時の移ろいを恐れていた。



 頼むから何処にも行くなと、離れなければならない日は必ず来るのだから、どうかその時が来るのが一秒でも長引くように…。



 『彼』はそれだけをいつも身が切れるほど願っている。
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