第二章
[8]前話
「何度もです」
「告白されますか」
「そのつもりです」
「そうですか」
「それでお返事は」
「僕彼女いないですし」
「私もいません」
帰蝶はこのことも言った。
「安心して下さい」
「そうですか」
「このこともあってです」
「告白されたんですね」
「はい、それでお返事は」
「僕でよかったら」
オッケーだとだ、大土井は答えた。
「お願いします」
「わかりました、ではお酒は程々にして」
帰蝶はさらに言ってきた。
「ホテルに行きましょう」
「ホテルですか」
「はい、そちらに」
「告白受けたらですか」
「大人だからいいですね」
「そうですけれど」
「では行きましょう」
完全に帰蝶のペースだった、それで話は進み。
大土井は帰蝶に連れられ酒はそこそこにバーの近くのホテルに案内されてベッドの上に押し倒された。
それから付き合いが出来た、そこから結婚したが。
仕事を続ける帰蝶はクールなままだった、仕事の時はそうで一体どういった結婚生活かと周りは思ったが。
二人だけになるとだ、帰蝶は料理も他の家事もどんどん行い。
何でも積極的だった、それは夜もであり。
「帰蝶さんって押すね」
「クールに見えますね」
「会社ではね」
「お仕事の時はそうですが」
それでもというのだ。
「しかしです」
「それでもなんだ」
「二人だけになりますと」
「そうなるんだ」
「スイッチが入りまして」
同じベッドで寝ている夫に話した。
「そうなります」
「そうなんだ」
「はい、そしてまたです」
自分から夫に覆い被さって言った。
「お願いします」
「うん、じゃあ」
「宜しくお願いします」
口調は変わらないがそれでもだった。
帰蝶は家では積極的だった、そんな彼女のことを大土井は誰にも言わなかった。家庭でのことは家庭で終わらせたのだった。そうして幸せな結婚生活を過ごしていった。
実は肉食の受付嬢 完
2025・1・17
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