第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第1話 え? 俺が使い魔ですか?
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せんか。
それに、俺の見た目から言うのなら人間ですから、使い魔と言うよりは、専属のボディーガードと言う種類の存在に成るのでしょう。その役割……と言うか仕事ならば、元々暮らして居た世界で生業としていた職業と大きな違いは有りません。
依頼者の身辺警護は退魔師としても当然、仕事の範疇に入る物ですから。
「オッケー、判った。そうしたら契約についてやけど、俺は受肉している存在やから、宝石や呪符などに封じる事は出来ないで」
一応の了承を示す言葉をアガレスには伝える俺。
但し、周囲の様子や、彼女らの雰囲気から推測すると、ここは西洋風のファンタジー世界。見えている建物は中世ヨーロッパ風のお城。大地には、舗装された場所は見える範囲内では存在していない。周りに存在している人間たちは、西洋人風の容姿。しかし、俺を召喚した少女に関しては、地球人には有るまじき髪の毛の色を持つ少女。流石に、携帯電話を片手に授業を受ける人間は居ないでしょうが、腕時計ぐらいならばしている人間も居るはずなのにそんな人間もいない。ここまでの状況証拠からのこの推測ですが、そう間違った推測とは思えません。それならば、使い魔契約を交わす方法は、どうせ羊皮紙にでもサインをさせられるのだとは思いますね。一応、その際にも、契約の内容を確認する必要が有りますか。
流石に、死した後に魂まで縛られる類の契約ならば、交わす事は出来ませんから。
もっとも、その場合でも、俺の真名を知られない限りは、そこまで強力な契約を交わす方法はないはずです。
………………。あれ、何か引っ掛かりが有るような気が……。
いや、そう言えば、最初に彼女は、俺に対して何か妙な事をしようとしていた気がしますね。あれは、一体どう言う意味が有ったのでしょうか。
そんな事を考え始めた俺を他所に、俺との会話が終わったアガレスが、タバサと呼ばれた少女の方を向き直り何事か説明を行う。
そして、その説明に首肯くタバサ嬢。
そして、そのまま彼女は俺の前まで歩みを進め、ゴツイ魔術師の杖らしき棒を一振りした後に、少し抑揚に乏しい口調で何か……おそらく使い魔の契約呪文でしょうね。契約呪文を唱え始める。
……って言うか、こんな強弱もつけない呪文の唱え方で大丈夫なのですか?
基本的に呪文と言うモノは、自らの精神を高揚させる為に必要なモノの場合が多いですから、こんな唱え方では、そもそも効果を発揮しない可能性の方が高いと思うのですけど……。
例えば言葉の内容自体には大きな意味はなく、心の底から浮かび上がって来る言葉が自然と口から出て来る。そう言う類の呪文も多いですから。
其処まで勝手にあ〜だ、こ〜だと考えた挙句、少し首を振ってそれまでの考えを否定する俺。
……いや、一概にそうとばかり
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