第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第1話 え? 俺が使い魔ですか?
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ぱり理解出来ていないのです。
この状況から推測して、彼女の方にも俺の言葉は通じてはいないと推測出来ますから。
その上、俺は、あんなゴッツイ……自らの身長よりも大きな魔術師の杖をデフォルトで装備している女子中学生などには、生まれてこの方、出会った事は有りませんから。
案の定、俺の言葉が通じないのか、俺の正面の蒼い髪の毛の少女も、そして彼女の後ろに立つ光頭人種の僧服姿の男性からも、意味不明と言う雰囲気しか発せられませんでした。
……やれやれ。少し面倒なのですが、これは仕方がないですか。
まして、言葉が通じないのでは、交渉の方法が無いのは事実ですから。
他の言語を試してみる。……無理。そもそも、俺の英語力は壊滅的。中学一年生の二学期以降、定期テストで二桁の得点をたたき出した事がない。
一番身近な他国の言葉の英語でもこの体たらく。その他の言語となると……。
術を行使して他の言語を瞬時にマスターする。
これは可能。但し、その術を使用可能な式神をこの場に召喚する必要がある。
逡巡は短く。まして、俺を召喚した、と言うのなら周りも召喚士か、最悪でも魔法の世界に生きる同士。少なくとも俺の術を見た程度でパニックに陥る事はないでしょう。
「アガレス」
何時までも大地に座り込んだままでは余りにも無様なので、相手を刺激しないようにゆっくりとですが立ち上がりながら、俺は式神を封じたカードから自らの契約を交わした式神の一柱。魔将アガレスを召喚する。
魔将アガレス。ソロモンの七十二魔将の一柱で地獄の公爵。職能としては、静止している物を走らせ、逃亡したものを引き戻す事。それに現在使用されているすべての言語を教授する事が出来、あらゆる威厳を破壊し、地震を引き起こす力を有している。
もっとも、このアガレスは、元々ナイル川流域の農耕神だった存在で、それと同時に時間を司る神でも有った存在。それが、創世記戦争の際にルシファー率いる軍に参加してヘブライ神族との戦いに敗れ、天の土星宮へと落ち延び、その後に堕天使として認定されたと言う経緯を持つ古き神の一柱で有る存在なのですが。
呪符に封じた状態からの召喚なので、ド派手な演出と共に大地に召喚円が描き出され、次の瞬間、俺の目の前には、翡翠の甲冑を身に纏い、大剣を持つ女性騎士姿の地獄の公爵が姿を顕わせていた。
「呼んだかな、シノブくん」
魔将アガレスが俺の方を、その騎士に相応しい鋭い。まるで冷たい炎とでも表現すべき瞳で見つめながらも口調自体は穏やかな口調でそう聞いて来る。……って言うか、相も変わらずのシノブくん扱いなのですが。
それと同時に、俺が魔将を召喚した事により、何故か周りのギャラリーから驚愕したような気が発せられたのですが……。
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