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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第1話  え? 俺が使い魔ですか?
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事がないルーンですが、人間が召喚された事自体が初めてですし、古い文献を調べて見なければ判りませんか」

 そう、独り言のように呟きながら、何やら質の悪そうな紙に羽ペンを使用して書いているコルベールのオッチャン、なのですけど……。もしかして、その紙はボロ布を使った再生紙を使用しているのでしょうか?
 確か、木材パルプが発明されたのは、そんなに昔の話では無かったような記憶が有りますね。

 ……って言うか、この世界の科学のレベルは、どの程度なのでしょうかね。

「ハイ。判りました。それでは、詳しい事情は、ミス・タバサよりお聞き下さい」

 そう言い残して、コルベールのオッチャンは、俺の前から、別の生徒の元へと歩を進めて行く。
 それに、今までの話の流れから、どうやら、ここは魔法学院とやらの進級試験の会場らしいですから、何時までも俺のような存在には関わって居られないのでしょう。最後の方は、流石のコルベールのオッチャンから、少し焦りに似た雰囲気が発せられて居ましたから。
 まして、流石に俺の目も彼に正面に居られると、妙に眩しく……。

 おっと。さっき反省したトコロでしたか。あの御方は光頭人種の方ですから、絶対に上から目線で見たら問題の有る御方でしたね。

 しかし、コルベールのオッチャンは、俺の事を人間と表現しました。
 つまり、俺は悪魔と思われている訳では無く、何処か遠い国か、それとも世界かは判らないですけど、そこからここに召喚されて来た人間だと思ってくれたと言う事ですか。

 但し、この世界の文明のレベルにも因りますけど、俺の扱いが良くなるか、それとも悪くなるかは、全て、この蒼い髪の毛のタバサと言う名前の少女次第と言う事ですね。
 まぁ、それでしたら。ファースト・コンタクトの前に、何故か、ファーストキスを体験させられた相手ですけど、ここはちゃんと挨拶をして俺の立ち位置や仕事の説明をして貰いましょうかね。

 そう思い、俺は件の蒼髪の少女、タバサの方に視線を向け、最初の挨拶を口にしたのだった。

「どうも初めまして。武神忍と申します。取り敢えず、見ての通り、式神使いと言う存在なんで、今後とも宜しくお願いします」


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