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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#14
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の分際で、底辺皇子のたわ言なんぞを鵜呑みにして、この私にこんな不当な仕打ちをするなど────貴様ら、絶対にただでは済まさんからなっ!!命令違反で、全員処刑してやるっ!!貴様らの妻や子、両親、兄弟姉妹だけでなく、一族郎党に至るまで酷い目に遭わせてやるからな…っ!!」

「いいえ、それはできません────ビゲラブナ伯爵」

 冷静な声音で返され、ビゲラブナが反射的にそちらに視線をやると、ビゲラブナに拘束する旨を宣告した騎士が、扉の側に設えられた格子窓の向こうからこちらを見ていた。

 格子窓は嵌め殺しで、網目のような格子に蔓草や小花を模した装飾が絡みついている。硝子は嵌め込まれていない。牢屋の中を窺う、もしくは、こうして扉を開けずに会話をするためのものだ。

「貴殿は容疑が確定あるいは晴れるまでの間、防衛大臣としての権能を暫定的に剥奪されております。そもそも、“命令違反”が適用されるのは、国防に関わるような───従わなければ国防に支障を来たすような命令に対してのみとなります。よって、我々を抗命罪で問うことは不可能です」

「何だとっ!?」

「それから────何か勘違いをなさっているようですが、我々は、ルガレド殿下の訴えで動いたわけではありません。昨晩、ルガレド殿下の皇子邸に侵入しようとした不審人物が捕らえられ────その不審人物の自供、そして自供によって物証を手に入れ、貴殿がルガレド殿下の暗殺を命じたとの確証を得られたからこそ拘束したのです」

 淡々と告げられた言葉が、すぐには頭に入って来ない。

 元々、頭の回転がそんなに速くないこともあるが────騎士が語った内容が、あまりにも突拍子がないものだったからだ。

(……“闇兵”が捕らえられ────自供した?)

 そんなことはありえるはずがない。だったら────それは、きっと偽証に違いない。

「バカバカしい。何が物証がある、だ。そんなものあるわけがない。そもそも自供など得られるわけがない」

 騎士の言葉がはったりでしかないと思い込んだビゲラブナは、鼻で笑って吐き捨てた。

 動じないビゲラブナに騎士はさぞ内心悔しい思いをしているはずだと、その顔色を窺うが、騎士は変わらず侮蔑の眼差しをビゲラブナに向けている。

 そして────騎士は、淡々と語り出した。

「今回、動員された暗殺者───“闇兵”は22名。全て以前からこの皇城に潜ませていた者たちで、それぞれの偽名だけでなく、どの役職についていたかも、完全に把握しています。捕らえられたリーダーと思しき者の自供によって、貴殿のルガレド皇子暗殺を依頼する書面が押収されました。書面に押印された“印影”が、登録されている貴殿の“印影”と一致することも確認が取れています」

 騎士が語った内容は、ビゲラブ
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