密林の刺客
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だがそこで考えを止めた。
「まあ良い。奴には奴の任務と考えがある。俺が気にする事ではない」
男はビルの陰に姿を消した。
翌日アマゾンと役は隊長ブランクが指定した密林に来た。そこは見渡すところ鬱葱と茂った木々ばかりであった。
「さて、と。そろそろ正午ですよ」
腕時計を眺めつつ役が言った。いつものコート姿である。密林での闘いには明らかに不向きであるがこのスタイルを崩すつもりは無いらしい。
「・・・・・・・・・」
闘いを前に気が昂ぶっているのだろうか。アマゾンは黙して語らない。ただ木々を見ている。服は白いスーツから黒地に赤い縞模様の上着と半ズボンである。かって日本でいつも着ていた服装だ。
「・・・・・・来る」
アマゾンが呟いた。すると役の腕時計の針が正午を指した。
「よく来たな、アマゾンライダー」
前から隊長ブランクが出て来た。後ろには戦闘員達がいる。皆手にライフルを持っている。
怪人もいた。デストロンの吸血怪人プロペラカブトとゲドンの滑空怪人獣人吸血コウモリである。
「ここが貴様の墓場になる。覚悟はいいか」
戦闘員からライフルを受け取りつつ言った。そのライフルにはナイフが既に装填されていた。
「・・・・・・・・・」
まだアマゾンは黙して一言も発しない。ただ敵を見ているだけである。
「俺は多くは言わぬ。行くぞ!」
その言葉と共に戦闘員と怪人達が散った。ジャングルに入っていく。役も身構えた。
「行きましょう、アマゾン」
「・・・・・・・・・」
まだアマゾンは動こうとしない。だがその気が充ちてくるのがわかる。眼に強い光が宿った。
アーーーーーーーー
叫び始めた。指を爪の様な形にし肩の高さで両手を上げる。指から手がバトルボディに包まれていく。
マーーーーーーーー
両手を胸の高さで交差させる。胸も脚もバトルボディに包まれようとしている。
ゾーーーーーーーン
腕を開きもう一度広げる。顔以外は既にバトルボディに包まれていた。
両目が紅く光る。それと共に顔が白い光に包まれた。
光が消えた時顔はあの獣の仮面となっていた。
変身を終えるとアマゾンは跳躍し光もささぬ密林の中へと入っていった。そこには無数の敵が潜んでいる。
「ギ、ギ」
木の上に座す戦闘員達が狙いを定めライフルを撃とうとする。だがその前にアマゾンが現われる。
「ケケッ」
右手を一閃させる。戦闘員の首が飛び血が緑の葉を紅く染めていく。
別の戦闘員が木の陰からアマゾンを撃とうとする。アマゾンはその後ろへ跳ぶと首筋を噛み千切った。
「流石ですね。密林での闘いはお手のものか」
アマゾンの闘いぶりを見つつ役は感嘆の言葉を漏らした。
「では私もやるか」
拳銃にサイレン
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