密林の刺客
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他に誰が出来るというのだ」
「ふんっ、自信だけはあるようだな」
強力な改造魔人の集まりで知られたデルザーである。彼もまた己の強さへの自信は絶大であった。
「後は貴様の好きにしろ。わしは退かせてもらう」
苦々しい声を出しつつキバ男爵は杖を振りかざした。そして瞬間移動の術で消えた。
「アマゾンライダー、いずれまた会おう。その時こそ貴様の最後だ」
「くっ、待て!」
だがキバ男爵は消えていった。後には塵一つ落ちていなかった。
「残念だったな、アマゾンライダー。だが安心しろ。貴様の相手は俺だ」
アマゾンを見下ろしつつ隊長ブランクは言った。
「グルル・・・・・・」
アマゾンが唸り声を出す。背中の背鰭が動く。
「待て、ここで勝負をするつもりは無い」
「何!?」
その言葉に役も思わず声をあげた。
「勝負は明日だ。明日の正午このプノンペン近郊のジャングルで待っている」
「ジャングル?一体どういうつもりだ!?」
アマゾンで生まれ育ったアマゾンライダーにとって密林での闘いは最も得意とするものである。その場で勝負を挑むとは正気の沙汰とは思えなかった。
「俺が言うことはそれだけだ。では明日その場所で待っているぞ」
「待てっ!」
だがその言葉に耳を貸さず隊長ブランクはタンクから飛び降りると姿を消した。
「撤退したか、外見に似合わず素早いな」
役は歯噛みしつつ言った。
「しかし勝負を挑むにしてもジャングルとはどういうつもりだ?アマゾンライダーに対して」
何か罠がるか、とも考えたが隊長ブランクは鋼鉄参謀や岩石男爵と同じくデルザー軍団の中では正攻法を好む人物として知られている。
「確かに格闘戦は奴も定評がある。だが接近戦でアマゾンに挑もうなどと・・・・・・」
ブランクの真意が読めなかった。様々な憶測が脳裏を巡る。
「そんなこと関係ない。例えどんな罠や策略があってもアマゾン負けない」
変身を解きアマゾンは言った。
「アマゾン・・・・・・」
「罠や策略は絶対に破る。そして悪い奴等倒す。アマゾンがやる事はそれだけ」
「・・・そうか、そうでしたね」
その言葉に役は微笑んだ。例えどんな策を弄しようともアマゾンならば破る事が出来る、そう感じた。
「それでは部屋に戻りましょう。連中に荒らされましたがね」
「うん。役さん休む」
二人は屋上から姿を消した。それを遠く離れたビルの屋上から見る一つの影。
あの黒服の男だった。
「これでよし。後はあいつ次第だ」
ニヤリと笑った。だがここでふとある事が脳裏をよぎった。
「だがアポロガイストめ、何故アマゾンライダーの密林での戦闘のデータを欲しいなどというのだ?奴のデータならば既に揃っているというのに」
いぶかしん
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