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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第237話:時既に遅し
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かに、自分でも意外なほどS.O.N.G.に対し好意的な思考をしていると言う自覚はある。被害を最小限に食い止めるだけであれば、未来への影響など無視してさっさと機材を破壊し祭壇から未来を引き剥がせば済む話なのだ。だがそれをしようと言う気にはどうにもなれない。
その理由が、記憶を失っていた頃に響を始めアリスなどから献身的に面倒を見てもらった事で絆された事に起因していると理解しているキャロルは、しかしプライドがそれを素直に認める事を拒むのかバツが悪そうに明後日の方を見た。
「別に……さっきも言ったが、ただ恩を返したいだけだ。何時までも借りを作ったままにするのは、俺のプライドが許さないからな」
口ではそう言うキャロルだったが、しかし頬の一部と耳の先がほんのり赤くなっている事にミラアルクは気付いていた。故にそれが照れ隠しである事は直ぐに分かり、話に聞いていた以上に人間臭いキャロルの素顔に思わず肩から力を抜いた。
「へへっ……」
思わずミラアルクの口から笑みが零れる。それを耳聡く聞いたキャロルは、迫力の足りない睨みを利かせさっさと作業に取り掛かる様に告げた。
「そんな事よりも、だ! さっさと作業に取り掛かれ。言っただろう、手順が面倒だと。長引けば長引いただけこちらが不利になるんだ」
「分かってるって!」
「直ぐに取り掛かるであります!」
ミラアルクとエルザもヴァネッサに続き機材に取り付き儀式中断の準備に取り掛かる。それを見てキャロルは疲れた様に息を吐くと、錬金術で外の様子を投影し現在の状況をリアルタイムで確認した。
「上の方も既に始めている。さて、ああ言った手前さっさと終わらせるか」
ヴァネッサ達のサポートを受けて、キャロルは手早く儀式中断の為の手順を進めていこうとした。
が、その時、不意に不愉快な感覚を感じて咄嗟に視線を上に向けた。
するとそこには、頭上から赤く光る光刃を振り下ろしてくる黒衣の魔法使いの姿があった。
「チィッ!」
すかさずキャロルは頭上に障壁を張り、奇襲してきたワイズマンの攻撃を防いだ。攻撃を防がれたワイズマンは、その障壁を足場に飛び上がると今度は儀式中断の為の作業をしているヴァネッサへと飛び掛かる。
「させるかッ!」
「むっ!?」
だがそれはキャロルが放った糸により防がれた。キャロルの糸がワイズマンの足に絡みつき、ハンマー投げの様に振り回して壁に叩き付ける。しかし壁に叩き付けられる寸前、ワイズマンは足に絡みついた極細の糸を光刃で切断し、自由になると振り回された勢いを利用して壁に着地した。
「ふむ……流石に一筋縄ではいかないな、キャロル・マールス・ディーンハイム」
「何処で何をしているのかと思えば、ここぞと言うところで邪魔をしに来る」
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