第99話 リィンとエマ、再会せし暗殺者と歌姫
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脳してクーデターを起こさせるなどという胸糞悪い作戦を立てたのは貴方かと聞く、するとヴィータは顔を歪めて違うと話した。
よほどその人物が嫌いなんだなと俺は察した。あれは演技とは思えなかったからな。
「姉さん……今までどこにいたんですか?お母さんやお婆ちゃんも心配していたんですよ?勿論私だって……なのにどうして結社なんかに……」
するとエマがヴィータに今まで何をしていたのかと尋ねる。
「それについては申し訳ないと思っているわ。ただ里に戻るつもりもないの、私は自身が仕えるべき人を見つけた……それだけは言っておくわ」
「そんな……」
ヴィータの戻らないという発言にエマはショックを受けていた。
「本当なら今日貴方に会う気は無かったの。でもまさか貴方がリベールにまで来るほどの行動力を見せるとは想像もしていなかった。これも貴方の影響かしら、リィン君?」
「俺……?」
すると何故かヴィータは俺の方に話をしてくる。
「貴方はイソラさんの命を救ってくれた、この事には感謝しているわ。でも私の観測では貴方はこの先の未来、様々な存在に影響を与えていく。そしてそれらに関わった人物も全員含めて不幸になり貴方は破滅する……そんな未来が見えたわ」
「破滅する未来……」
「そんな危険な人物の側にエマを置いておくわけにはいかない、だから私は姿を見せてまでエマを止めに来たの」
破滅する未来と言われてもピンとこない、まあ今更そんな事を言われても絶望するほどメンタルは弱いつもりはないけど。
「エマ、貴方はこんなところにいるべきじゃないの。直に里に戻って魔女として更に修行を積みなさい、貴方は私やイソラさんを超える逸材になるはずよ。良い子だから……」
「お断りします」
「……今なんて言ったのかしら」
「断ると言ったんですよ、姉さん」
エマの発言にヴィータの纏う空気が変化した、明らかに不機嫌になってるな。
「……エマ、私は貴方の為を想って行ってるのよ?」
「それは理解しています、姉さんはいつだって私の事を案じてくださってくれました。それを理解して断ると言ったんですよ」
「貴方はとっても聞き分けの良い子だった、なのにどうしてそんな事を言うのかしら?もしかしてその子に何かされたのかしら?」
「まあ影響は受けましたね」
「えっ!?」
エマの発言に身に覚えのなかった俺は驚いてしまった。俺は一体何をしたんだ……!?
「最初こそお母さんを助けてくれた恩を返したいって思いでした。でも今は違います、直ぐに無茶をするこの人の事を放っておけなくなってしまったんです」
エマは俺の顔を見るとニコっとほほ笑みながらそう言った。前に泣かせてしまった事
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