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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第99話 リィンとエマ、再会せし暗殺者と歌姫
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side:リィン


 新たな特異点に巻き込まれた俺はエマと共に脱出を図っていた。俺達は険しい山を登りながら特異点を生み出している元凶を探している。

 
 切り立った崖に生えているツタを登り落ちてくる大岩を回避して崩れる足場を飛び越え魔獣の猛攻を凌ぎ……アイゼンガルド連邦を重装備を身に付けながら登る特訓をしているとはいえ結構キツいな。


「はぁ……はぁ……」
「エマ、大丈夫か?」
「さ、流石に疲れました……」


 魔女の一族とはいえそこまで体力がある訳じゃないエマは息を切らしていた。


「疲れや疲労もだけど高山病も大丈夫か?」


 俺は空気が薄くなった山の上にいるので高山病を心配する。


「それは大丈夫です、魔法で空気の膜を纏っていますので高山病にはなりませんよ」
「そうなのか。便利なんだな、魔法って」
「流石に何でもできるわけではないですけどね」


 エマは得意げにそう言って胸を張った。すると大きな胸がプルンと揺れて思わずそっちに目が行ってしまう。


「なに見てんのよ」
「いったぁぁぁっ!?」


 すると俺の頭に飛び乗ってきたセリーヌが爪を立ててきた。


「なにするんだ!ハゲたらどうするんだ!」
「こんな時に(よこしま)な事を考えるのが悪いのよ。エマ、この男には気を付けなさい」
「あら、私ならいつでも歓迎しますよ?」
「ちょっとエマ!」


 俺は頭を抑えつつセリーヌに文句を言う、その後エマと何か話していたみたいだけど頭の痛みに気を取られて聞き取れなかった。


「……ったく人間は直ぐに色ボケするから嫌なのよ。さっさとこんな場所おさらばするわよ」
「はいはい」


 ぷんすかと怒るセリーヌを宥めながら俺達は上を目指して登っていく、そして遂に頂上付近まで来ることが出来たんだ。


「エマ、恐らくこの上に特異点を作ってる魔獣がいるはずだ」
「はい、気を引き締めて行きましょう」


 俺達は戦いの準備を指定を決して頂上に駆け上がる。


「あれ……なにもいない?」


 だがそこに魔獣の姿はなかった。


「おかしいな、これまでのパターンだと一番上に元凶がいると思ったんだけどな」
「馬鹿と煙は高い所が好きっていうからね、あんたのことなんじゃない?よく高い所に行くし」
「確かに俺は高い所によく行くな……おい、俺を馬鹿だって言いたいのか?」
「ふんっ」


 俺はセリーヌを睨みつけるが彼女はそっぽを向く。


「リィンさん、こちらに来てください」


 エマは山の反対側を見下ろしていた、俺もそちらに向かうが……


「マジかよ……」


 俺の眼前には山の下に広がる森や草原が広
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