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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第235話:道化師の策略
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角のアドバンテージ捨てて足止める奴がいるかッ!」
再び振るわれるダイスサーベル。しかしこれはグレムリンに避けられた。二度同じ攻撃は通用しないと言わんばかりに躱された。
「チッ! すばしっこい奴……」
攻撃を躱されはしたが、しかし状況はハンスにとって有利であった。何しろ攻撃されない為には常に動き回らなければならないグレムリンに対し、ハンスは何もする必要が無い。向こうが勝手に疲れて動きが鈍るのを待っていればいいだけの話なのだ。
――あいつと俺は相性が俺の方に傾いてるらしいな。何だ、幹部とか言うから気張ってたが、案外大した事ない奴だぜ――
既にハンスは勝った気でいるらしい。それも当然か、もう勝敗は見えたも同然なのだから。
だが彼は知らなかった。グレムリンがジェネシスの魔法使いの中でも特に姑息で狡猾であると言う事を。いずれ限界が来ると知りつつも、しっちゃかめっちゃかに動き回っている事の意味を彼はもっと考えるべきであった。
どうもグレムリンは派手に動き回りながら、当たるを幸いに滅茶苦茶に剣を振り回しているらしい。無駄に周囲を破壊して、砂埃を巻き上げるだけの攻撃を繰り返すグレムリンをハンスは高みの見物と決め込んでいた。
そして遂に、ハンスが待ち望んでいたタイミングが訪れる。体力が切れたのか、グレムリンが視認出来るほどに動きが鈍くなったのだ。
「はぁ、はぁ……」
「貰った!」
グレムリンの動きが止まったタイミングで、ハンスが飛び出しダイスサーベルを振るう。突き出された刃が真っ直ぐグレムリンの胸を貫こうと迫った、次の瞬間…………
何と、ハンスの放った一撃は僅かに逸れてグレムリンの脇を通り過ぎるだけに留まった。
「な、に……!?」
「アハハッ!」
「がはぁっ!?」
攻撃が外れた事に唖然としていると、グレムリンは明らかにそこにハンスが居る事を理解した攻撃を仕掛けてきた。放たれた双剣による斬撃は、ハンスの纏うビーストの鎧を大きく切り裂き姿を露にさせた。
「ぐ、あ……な、何で? お前、何で俺の居場所が分かったッ!」
攻撃を喰らい直前まで、彼は自分の姿が消えていた事を確かに確認している。だから見える筈がない自分を攻撃できるはずがないと、信じられない思いを抱えていたのだ。
グレムリンがハンスの居場所を探知した方法は実に単純である。彼は何も無意味に周囲を破壊していた訳ではない。
彼が超高速で動き回りながら周囲を切りつけていたのは、当てずっぽうに攻撃していたのではなく周囲のものを傷付けて砂埃を巻き上げる為であった。例え姿を消していようとも、存在していれば活動の痕跡は必ず残る。グレムリンは巻き上げた砂埃によって、ハンスの動きを可視化させたのである。
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