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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第235話:道化師の策略
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来の救出を行おう』

 キャロル直々に未来を救出するとの言葉に、響は何度目になるか分からない感激と共に彼女に感謝した。

「キャロルちゃん、ありがとう!」
『礼を言うのはまだ早いぞ、立花 響』
「ちょっと待てッ! 簡単に言ってくれるが、そのデカブツって前に出たディバイン何とかって奴と似たような奴なんだろ? そんなのそう簡単に――」

 アダムとの戦いでの記憶が蘇りクリスが渋る。あの時も、結局ディバインウェポンは倒すと言うよりは取り込まれた響に語り掛ける事による無力化で何とか出来た。今回は神殺しのガングニールを使える響を戦力に勘定できるが、あの得体の知れない存在の戦闘力が未知数な現状では迂闊な攻撃は躊躇われる。

 しかしキャロルにはある確信があった。

『出来る。ここはチフォージュ・シャトー……その気になれば世界だって解剖可能なワールドデストラクターだ。残された猶予に全てを懸ける必要がある。お前達は神の力の破壊を……そして俺達は、力の依り代である少女を救い出す。お前達にも当然手伝ってもらうからな?』

 キャロルが画面外に向け鋭く告げた。カメラには映っていないが、恐らくはそこにヴァネッサ達も居るのだろう。一刻の猶予もない今、確かに戦力を遊ばせている余裕は無い。

『分かったわ。今までのツケもある訳だし、ね』
『よし、早速行動開始だ!』




***




 キャロルがS.O.N.G.と通信を行っている間、ハンスとグレムリンの戦いは激しさを増していた。

「アハハッ! ほら、こっちこっち!」
〈ハイスピード、ナーウ〉

 目にも留まらぬ超高速で動き回るグレムリンを相手に、バッファマントを纏ったハンスは流石に苦戦を強いられていた。

「うぉっ!? チィッ! がっ!?」
「アハハハハッ!」

 グレムリンはハンスの周りをおちょくる様に動き回り、時に動きを止め時に素早く動いて、彼の目を翻弄させた。動きが読めず、捉える事も出来ないグレムリンを相手にパワー型のバッファマントでは相性が悪かった。

「この野郎……だったら!」
〈カメレオン! ゴーッ! カカッ、カッカカッ、カメレオー!〉

 バッファマントの代わりに身に着けたのは、姿を消す擬態能力を身に着けられるカメレオンマント。如何にグレムリンが素早く動き回れようと、攻撃すべき相手の姿が見えなければ意味はない。

 マントを装着したハンスが姿を消すと、攻撃を空振りしたグレムリンはその場で立ち止まり姿を消したハンスを探そうと周囲を見渡した。

「! 何処に……」
「正気かいッ!」
「がっ!?」

 思わずグレムリンが足を止めると、それを待っていたかのようにハンスがダイスサーベルによる刺突をお見舞いした。

「へっ、折
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