九十二 VS木ノ葉
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だった。
その正体を見極めようと眼を凝らしながら、ネジは一歩、足を前へ踏み出す。
「チャクラを…使えないはずだ…」
何故、チャクラを使える?
何故、キバとチョウジは吹き飛ばされた?
何故、なぜ、ナゼ?
尽きない疑問の答えは、当の本人があっさり教えた。
「どうしてチャクラを扱えるのか、という顔をしているね」
ネジの視線に込められた疑惑を汲んで、ナルトは静かに言葉を紡ぐ。
「事前に把握していれば、どうということはない」
それはつまり。最初から知っていたということ。
どの点穴をネジが放つのか。
どの位置をヒナタが突くのか。
最初からどの場所を狙われるのか、前以て全ての攻撃を見切っていなければならない。
【八卦・六十四掌】で高速に放たれる攻撃を、それも二乗にも増えている突きが来るのを、完全完璧に見極める。
来るべき突きを僅かにズラし、攻撃を未然に防ぐ。
そんな芸当ができるはずがない。
だが現に、目の前の存在はやってのけている。
それどころか、左右からの攻撃を弾き飛ばしている。
一方でシカマルもネジと同じく、既視感を覚えていた。
ずっとナルトの影を捉えようと印を構えながら隙を窺っていた彼は、左右からの攻撃を弾き飛ばすナルトの術を、どこかで見た気がしたのだ。
それも、つい最近。
(…似ている)
そう。木ノ葉の里を壊滅させた、あのペイン六道。
その内のひとりであったペイン天道の術に。
そうだ、あの術。
斥力を操り、対象を弾き飛ばす────【神羅天征】。
あの術に似ていることにシカマルが思い至ると同時に、ネジも既視感の正体を思い出す。
かつて中忍試験にて、巻物争奪戦を死の森で繰り広げた時。
木ノ葉の第七班が音忍と対峙している最中、割り込んできた多由也とサスケが交戦した。
その戦いを止めたナルトに突っかかり、攻撃を仕掛けたサスケがいきなり吹き飛ばされる。
それと今の光景が重なって見えたのだ。
「…もう、終わりかな?」
ナルトを中心に、彼を取り囲む木ノ葉の忍び達。
誰もが躊躇する中、意を決して、いのが拳を地面に叩きつける。
五代目火影である綱手譲りの怪力。弟子であるいのの怪力が炸裂して、地が割れる。
地割れ。
ナルトの足元目掛けて奔る地面の割れ目。
地面の裂け目に足をとられる前に跳躍したナルトへ、今度はテンテンがクナイを投げつける。
巻き物に収集されている数多のクナイが一斉に槍の如く降り注ぐ。
投擲された数多の刃は空中では回避は難しい。
クナイが接触する直前、僅かに身を引いたナルトが全ての刃の軌跡の合間に身を投じる。
「うそっ!?」
武器の扱いに自信のあるテンテンの素っ頓
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