九十二 VS木ノ葉
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
に笑ってみせる。
それを肯定と見て取って、聊か怪訝な顔つきになったリーの両隣から日向一族の二名が飛び出す。
片や日向一族の宗家たる日向ヒナタ。
片や分家でありながら『日向家始まって以来の天才』といわれる日向ネジ。
「「柔拳法【八卦・六十四掌】!!」」
双方から同時に繰り出される日向一族の特異体術『柔拳』。
まるで合わせ鏡のように至近距離で忙しく動く二人の身のこなしは瓜二つで、更に繰り出される【八卦・六十四掌】の領域内から逃れるすべはない。
経絡系上にあるチャクラ穴である『点穴』を六十四箇所をも突く奥義を、ひとりだけでも厄介なのに、ふたりなのだ。
コツコツとネジに【八卦・六十四掌】の教えを秘かに乞うていたヒナタは今回が初の【八卦・六十四掌】のお披露目である。
ネジと共に繰り出される苛烈な突きは二倍どころか二乗の威力がある。
その隙の無い八卦の領域内に囚われたナルトは、両者から繰り出される突きを、一身に受け続けている。
日向一族でなくとも素人から見ても、ネジとヒナタの怒涛の突きは完璧なものだった。
八卦の円の中心。
標的であったナルトはネジとヒナタの【八卦・六十四掌】を受けて完全にチャクラの流れを止められている。
今が好機だ、と意識を取り戻した赤丸と共に再びキバが空中で回転しながら突撃。
キバに倣ってチョウジが倍加の術で胴体を巨大化させる。
左から【牙通牙】、右から【肉弾戦車】。
左右からの猛攻に、間に挟まれた者は堪ったものではない。
圧死させる気満々の双方からの攻撃は、チャクラの流れを止められたナルトへ容赦なく圧し潰さんと迫りくる。
しかし、次の瞬間。
パンッ
何かが弾けるような音がその場に響く。
そしてその音と共に一瞬でキバ・赤丸、そしてチョウジの体は吹き飛ばされた。
「ガハッ」
「ぐぇ…っ」
「キャン…ッ」
吹き飛ばされ、背中をしこたま打った三者は痛みに呻くが、それよりも戸惑いのほうが大きかった。
同様に、その場の面々も今の一瞬の出来事に、皆言葉が出てこない。
何が起こったのか全くわからなかった。
ナルトはただ静かに立っているだけで何もしていない様子だ。
更に彼はネジとヒナタの【八卦・六十四掌】を受け、チャクラは扱えないはず。
それにも拘らずキバ・赤丸・チョウジは吹き飛ばされた。
冷静に見えて内心動揺しながら、ネジはピキキ…と白眼を見開く。
百m先を見通し、体内のチャクラでさえも見切るその特殊な眼を持つ彼はナルトを凝視した。
(この展開…どこかで、)
既視感。
どこかで見た光景だった。
どこかで感じた違和感
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ