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英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
第61話
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「…………昔はあんな風じゃなかったんだ。たしかにハミルトン博士に対抗意識はあったんだろうけれど…………それでも、お互いに認め合って僕にもいろいろな事を教えてくれたから。」

「そうなんですね…………」

「ハン、あの余裕のなさそうなパワハラ教授がねぇ。」

「ハミルトン博士…………2年半前にカルバードを離れたと聞いていますが。」

「さっきも言ってたが、お前さんも博士の門下なんだな?」

複雑そうな表情で自分やキャラハン教授達の昔の事をカトルをアニエスは心配そうな表情で聞き続け、アーロンはキャラハン教授を思い浮べてカトルの昔の話が本当なのかを疑い、リゼットとヴァンはあることについてカトルに確認した。



「ええ、昔からお世話になっていて…………博士が外国で研究を始めてからは自宅や天文台の留守を任されています。…………守れているかは怪しいですけどね。タウゼントCEOからは――――――この大学の理事でもあるんですけれど。利用者数の減少を理由にここの閉鎖を打診されていますし…………」

「あ…………」

「なるほど――――――だから諸々の雑用で点数を稼ぐ必要が出てきたわけか。」

「そう、だったんですね…………」

カトルがタウゼントCEOの雑用を手伝っている理由を知ったフェリは辛そうな表情を浮かべ、ヴァンは納得し、アニエスは静かな表情でカトルを見つめた。

「…………すみません、さっきは引っ掻き回した形になってしまって。僕が割り込んだりしなければ…………」

「ま、そっちも気にするな。おかげで見えてきたこともある。――――――お前さんも気づいてるんじゃねえのか?あの先生が、パワハラとは別に”何か”をやらかしてるってのは。」

「…………っ…………」

「そ、そうなんですか?」

「やっぱり、そうなんですね…………それだけ尊敬もされていた人が常軌を逸したような言動で…………」

「なりふり構わず、パワハラしてまで何の研究をしてんのって話だよな。」

「研究室にあった最新演算機…………”何らかの膨大な計算”を行っているように見受けられました。恐らくは尋常ではないレベルでの”制御”を必要とする分野での。」

ヴァンの指摘にカトルが息を呑んでいる中フェリは驚き、アニエスは納得した様子で呟き、アーロンはある疑問を口にし、リゼットはカトルにあることを確認した。



「…………ええ、僕も同意見です。あのレベルのシミュレーションは見たことがない…………しかも、それでもまだ足りないみたいだった。(…………まさか、いや…………)」

(…………なるほど、ひょっとして。)

リゼットの確認に答えたカトルは心当たりについて考え込み、カトル同様心当たりがあるリゼットも考え込んだ。


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