第61話
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授をカトルは辛そうな表情で見つめ、ヴァンは真剣な表情で指摘した。
「あ…………」
ヴァンの言葉を聞いたアニエスは助手達が戻ってきている事を察して扉を見つめた。
「自分達はあくまで状況説明と”落とし所”の提案に来ただけですよ。こちらには確たる証拠と証言がある。揉み消すったって簡単じゃないでしょう。――――――”あと二歩”だっつうんならなおさら検討してみちゃどうですかね?」
「…………フン、話はこれで終わりだ。今回の”不法侵入”と無礼の数々はタウゼントCEOにも厳重抗議しておく。…………若干言い過ぎたのは認めよう。だがハミルトン門下に留まるならこれ以上君に興味はない。いや、それこそ私の下で才能を伸ばせるようこの機会に改めて勧誘しておこうか?――――――帰ってこない年寄りを女々しく待つより遥かに有意義だろう。」
ヴァンを睨んで指摘したキャラハン教授はカトルに視線を向けてある指摘をした。
「っ…………失礼します…………!」
キャラハン教授の指摘に唇を噛み締めたカトルは立ち上がった後扉を開けて走り去り
「カトル君…………」
「…………失礼致します。」
ヴァン達はカトルの後を追っていった。
〜天文台〜
「…………女々しく、か…………」
「――――――ここだったか。」
天文台の中でカトルが寂しげに呟くとカトル達を追ったヴァン達が現れた。
「へえ、中はこうなってたのかよ。」
「これが天文台…………あっ、あれが”望遠鏡”ですかっ?」
アーロンと共に興味ありげな様子で周囲を見回していたフェリは部屋の中央にある望遠鏡に気づくとカトルに確認した。
「うん…………博士の特注品でね。すみません、さっきは見苦しい所を。…………よくここがわかりましたね?」
「ま、なんとなくな。おっと、見苦しいのは忘れるからこっちの研究棟入りも見逃してくれや。」
「も、もうヴァンさん…………」
「…………はは…………良かったらそっちに座ってください。今、お茶を出しますから。」
ヴァンのいつもの調子にアニエスが困った表情を浮かべている中苦笑を浮かべたカトルはヴァン達に近くの来客用の席に座るように促し、ヴァン達にお茶を出した後天文台の事について説明した。
「――――――じゃあ、今は天文学専攻の教授はいらっしゃらないんですか…………」
「うん、毎日寄るのは僕くらいかな。昔は兄弟子に姉弟子、博士を慕う学生や研究生たち…………キャラハン教授なんかも来てくれていたんだけどね。」
「あ…………」
アニエスの疑問に答えたカトルの説明を聞いたフェリはキャラハン教授の先ほどのカトルに対しての態度を思い返して心配そうな表情でカトルを見つめた。
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