第四章
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「七年にする」
「選手がどんどん出る様にしないと」
「巨人だけはそうして」
「あそこにだけ都合が悪い」
「そうしないとね」
「全くだよ、しかし」
寿はあらためて言った。
「本当にうちは獲得はしても」
「出ないわね」
「巨人もだけれどね」
実に忌々しいことにこのチームから出る選手も少ない、それだけまだ球界の盟主だのという自称が意味があるということか。
「阪神もよね」
「人気があるし」
「やっぱりね」
「お金もあって」
「応援凄いしね」
「甲子園の応援なんて」
それこそというのだ。
「球場が上下左右に揺れる」
「そこまででね」
「そんな応援を受けるから」
「いたくなるわね」
「最近は年棒も出すし」
「昔は違ったのよね」
「阪神だけだったから」
親会社はというのだ。
「関西の私鉄だとね」
「大きいのは五つあって」
「近鉄、阪急、南海、京阪で」
「阪神だけれど」
「阪神は小さい方だから」
それ故にというのだ。
「どうしてもね」
「お金はなくて」
「年棒も出せなかったけれど」
「今は阪急と統合したから」
「お金が一気に増えたから」
親会社の規模が大きくなりというのだ。
「それでね」
「選手の人達もお金も出せるわね」
「それで球団のビジネスも成功してるし」
こちらもというのだ。
「だからね」
「余計に出る人少ないわね」
「変なゴタゴタもなくなったし」
寿はこちらの話もした。
「阪神は昔は」
「シーズンオフになったらだったのよね」
「お家騒動が起こって」
阪神恒例だったとさえ言われていた。
「主力選手が出る」
「看板選手で終わり全うした人いないって言われてたわね」
「小山さんも出て」
精密機械と言われた彼がというのだ。
「村山さんもね」
「いい引退じゃなくて」
「江夏さん田淵さんはトレードで」
「出されたのよね」
「江本さんは怒って辞めて」
この人の場合はシーズン中だった。
「バースさん掛布さん岡田さんも」
「後味悪くて」
「もうね」
それこそというのだ。
「お家騒動とね」
「看板選手の人達が後味悪い結末で」
「どうにもだったけれど」
「今は違って」
「うん、ちゃんとね」
「引退してるわね」
「そうもなったしね」
このことも改善されてというのだ。
「本当にね」
「阪神は選手が残る様になったわね」
「そうなったよ」
「いいわね、特にね」
千佳は兄から阪神の話を聞いたうえであらためて言った。
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