インナモラーティは筋書きをなぞるのか 4
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誤認を避ける為の質問だ」
『……少し違う。勇者の魂は、祝福を受けて神々の眷属と化した元人間だ。お前が考えてる通り、あれはわざとそうしたと考えるべきだろう』
「なんだ。俺の考えが読めてんなら現状で俺が悪魔化を狙うわけがないのも解ってる筈だろうが。とりあえず、情報提供には感謝するぞ、アオイデー。これで二人の足取りは確定だ。ははっ! どっちが先に着くか、競争だな」
師範が物凄く嬉しそうに目元を歪めた。
気に入らない相手の懲らしめ方を考えてる時の笑顔だ。
本気で怒ってる。
ロザリアさんとクロスツェルさんが必ず足を運ぶ場所、か。
神化の話に拘わりを見せてる辺り、怪奇現象と深い関わりがあって、かつ普通に行っても入れないとなると……目指してるのは多分、あの場所かな。
「私達が先に着いたらどうするんですか?」
「ヤツを殴る」
『おい』
「冗談だ。こちらからは、何もしない。連中の話を聴きながら二人の到着を待つさ。この件に関しては、どんな結末であれ、決めるのは二人の裁量だ。そこに俺達部外者の感情は関係ないし、必要もない。この件に関してはな」
『お前は潔いのかなんなのか……何十年と見ていても、イマイチ解らん』
「俺は、必要だと思うことを必要な時にやるだけだ。十分潔いだろう?」
「そうですね」
実際やれると思えば必ずやり、やれないと思ったら絶対にやらない師範の判断力と決断力は、アルスエルナ国内随一と言ってもきっと過言ではない。
潔さでも、師範の右に出る者はそうそう現れないだろう。
深い同意を込めて頷くと、アオイデーさんに心配げな目で見られた。
「ところで、本当に付いてくる気か? 対レゾネクトの戦力に数えられてたフィレスはともかく、お前は連中にとって排除の対象だろ?」
『私の安全は考えなくて良い。今は私の力で存在を認識させているが、私は普段、古き友の力で生物の気配を消している。音に敏いアーレストでさえ、現在に至るまで目と鼻の先に居ても気付けぬほど完璧にな。仮に見つかったとしても、私の力量のほうが上だ。あれには負けんよ』
そういえば。
アーレストさんは私に対して、こんな音は聴いた例がないと言ってたな。
アオイデーさんが雑じり気なしの堕天使で、短時間でもアーレストさんの間近に居たのなら、アーレストさんが神に類する音を聴いたことがないのは不自然に思える。
しかし、アオイデーさんがあえて気配を消
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