暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
少女怪盗と仮面の神父 55
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
いったらありゃしないっ! 確かに、中性的で綺麗な子ではあるけど!」

(がっちりべったり? 男性に?)

「……衆道?」
「それ本人達には絶対言わないほうが良いわよ。修行徒時代、二人共本気で性犯罪の被害者になりかけてね。以来、アーレストはともかく、もう一人のほうが、その手の話に並々ならぬ嫌悪感を抱いているの。私が一般民の前で肌を曝す際どい女装をさせたせいだけど」
「さらっと酷い告白!」
「業腹な似合いっぷりだったわ」
「教会で何をやってるんですか、貴女??」
「友達とは遊びたいじゃない」
「遊びの定義をもう少し優しく、普通のものにしてあげましょうよ!」
「普通の定義は()()()()()よ。人生、楽しまなくちゃ! 主に私が!」

 悪魔だ。エルーラン王子の言葉は真実だった。
 女悪魔が、アリア信仰の上層部に巣食ってる。

 もしや、アーレストがたびたびミートリッテの顔を見て目を逸らしたり、微妙な表情になっていたのは、プリシラのこういう悪魔的所業のせいか。
 ミートリッテとプリシラの顔を重ね。
 別人だと判っていても直視できないほどに怖がっていた、と。
 惨い。

(どこの誰だか知らないけど、女装させられた人……ご愁傷様です、って、そういえばお父様もミートリッテは十中八九ソッチ方面だ、ご愁傷様とか、物騒なセリフを呟いてなかったっけ……?)

 嫌な予感に顎を持ち上げられて、プリシラの目をそろりと窺った瞬間。

「……っ……!」

 自分と同じ顔なのに、思わず息を呑んでしまう妖艶さで微笑まれた。

 どうしよう。
 怖い。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ