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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
第百二話 第二次国境会戦(前)
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ると我々はジリ貧だ、このまま消耗戦を続ける事になる」
「ミッターマイヤー艦隊の七千隻という数は無視出来ないからな」
「その状況で右翼の半数をミッターマイヤー艦隊に転進させても意味がない。難しいよ」
そう言いながらヤンはコンソールを操作し出した。二つの小さな立体映像が映し出される。帝国軍の司令官の姿だった。
「これは…」
「ウルリッヒ・ケスラー中将、エルネスト・メックリンガー中将…敵のミューゼル大将の両翼を固める二人だ。難敵だよ」
映像を見るヤンの表情は固い。おそらくこれもウィンチェスターからの情報なのだろう。戦略的視点に優れ、戦術能力も高い良将…なんだって帝国軍はこんな奴等ばかり揃って居やがるんだ…。
「生半可では崩れないだろうね」
ヤンは再び頭を掻いた。


15:50
銀河帝国軍、ミューゼル艦隊旗艦ブリュンヒルト、
ラインハルト・フォン・ミューゼル

「やはりヤン・ウェンリーはしぶといな」
我々と対峙しているのはヤン・ウェンリーの率いる二個艦隊…敵右翼方向にもう一個艦隊存在するが、我々に対する攻撃の度合はそれ程でもない。敵本隊から少し離れた場所で我々と向き合っている。ミッターマイヤー艦隊への警戒だろうか、それとも…。
「二個艦隊とはいえ、合計では我々三個艦隊とそれ程兵力に差はありません。それがヤン・ウェンリーに有利に働いているのだと思います。ただ…」
「敵の左翼の動きが鈍い、か?」
「はい」
「ふむ…ヤン・ウェンリーには私とメックリンガーで対処しよう…ケスラー艦隊に命令だ。前進して敵の左翼を突き崩せ」
「了解致しました」
「ミッターマイヤー艦隊へ伝達。一度下がったとて遠慮は要らぬ、卿の分の獲物はきちんと取ってある、と」
一礼してキルヒアイスが俺の側を離れて行く。これでヤン・ウェンリーの思惑がはっきりするだろう。



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