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四十代勝負下着
第三章

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「こうした下着をいつも着けられる様にね」
「黒や紫が似合う様な」
「ティーバックだってね」
「ティバーバックってお尻の形が悪いとね」
「駄目でしょ」
「さもないと穿いてもね」
「似合わないわね」
 娘に言った。
「そうでしょ、つまりお母さんはいつもよ」
「いつも?」
「勝負下着を着けてるのよ」
「スタイルがよくないと似合わない」
「そうした下着をね」
「そうなのね」
「それでよ」
「いつも派手な下着なのね」
「そうよ、だからあんたもね」
 娘に言うのだった。
「ずっと奇麗でいたいなら」
「派手な下着を着けろっていうの」
「違うわ、自分がいいと思う下着をね」
 そうしたものをというのだ。
「ずっと似合う様な」
「そうしたスタイルでいろっていうの」
「そうよ、似合う様でいたいならね」
「自分の好きな下着ね」
「それがまさにね」
 娘に笑って話した。
「勝負下着よ、その下着をね」
「着ることね」
「それが似合う様なスタイルでいることね」
「そうよ、似合う様でいたくて」
 そしてというのだ。
「勝負下着にしたいなら」
「自分でするのね」
「いい下着に対してね」
「似合う、勝負下着にするのも」
「どちらもね」
 まさにというのだ。
「そうなるわ」
「そういうものね」
「あんたの白やピンクの下着も同じよ」
 娘のものは白だ、それも純白だ。
「いいわね」
「考えておくわ」
 こう言ってそうしてだった。
 理恵も志保もその下着を脱いで風呂に入った、普通の風呂だけでなく露天風呂もバブル風呂もサウナも水風呂もそしてワイン風呂も楽しんだ。
 そうしてから男湯にいて既に出ていて待っていた父と合流して家に帰った、そしてこの時からだった。
 志保は母の下着に対して言うことはなかった、その代わりにスタイルの維持に気を付ける様になった。そうして自分も結婚して母親になった四十代の時も純白やピンクの下着を勝負下着にしていた。母親と好きな色やデザインが違うがそうしていた。そして自分の娘からスタイルがいいと言われたのだった。


四十代勝負下着   完


                   2024・7・12
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