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神々の塔
第九十三話 それぞれの神具その十

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「不老で」
「寿命も長いみたいやね」
「どうもな、そやけどな」
「一緒におるこっちの世界の人等は歳取ってくね」
「ああ、三十年以上の間に」
 メルヴィルは少し達観する様な顔になって言った。
「皆歳取ってな」
「お亡くなりになった人かておるし」
「定年迎えたりな」
「逆に生まれたりとか」
「色々あるな」
「わい等はずっと歳取らんけど」
 羅も言った。
「そやけどな」
「周りは違って」
「ほんまな」 
「寂しく思う時があるね」
「これで不死やとな」
「余計に思うやろね」
「生きていてな」
 そうであってというのだ。
「別れと出会いはあって」
「誰にでも」
「それで生きてな」
 そうしてというのだ。
「死んでいく」
「そやね」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「出会いもある、三十年以上おると」
「ほんま別れと出会いがあるね」
「何かとな」
「一緒におった人が歳取っていって」
「あらたに生まれてな」
「成長したり」
「色々あるな」
 羅も真剣な顔で話した。
「こっちの世界も」
「うち等起きた世界やと十八歳やけど」
 それでもというのだ。
「こっちの世界では実質五十代位やね」
「こっちの世界に来た年齢が外の世界そのままやとな」
「もうそうなるね」
「五十代な」
 施もそう聞いて考える顔になって言った、初老に入り人生について深く考える様な年齢に至ってというのだ。
「そうなるとな」
「色々あるね」
「経験やな」
「人生の」
「それがあるから」
 だからだというのだ。
「そこからも成長するな」
「人として。心の成長って」
「するな」
「色々経験して」
 綾乃も言った。
「レベルやステータスや特技やなくて」
「心な、それがな」
 まさにとだ、施は言った。
「成長してくな」
「そやね」
 綾乃も確かにと頷いた。
「別れと出会い、老いや成長を見て」
「他にも何かと」
「そのうえで成長する」
「人はな」
「そうしたこともわかるね」
「実際に」
 そうだというのだ。
「そやな」
「そしてその心の成長も」
「力になるな」
「その通りやね」
「三年以上、あっという間やったけど」
 それでもとだ、アレンカールは言った。
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