第一章
[2]次話
元は大きな犬だった
ふわりはトイプードルという小さな種類の犬の中でも小さな方だ、ティーカッププードルに近い位だ。
だが彼女を休日ドッグレース場で遊ばせる中でだ、彼女の家族である国咲家の息子の洋介は父で工事現場で働いている文太に言った。
「トイプードルって元々大きかったな」
「プードルがそうだろ」
父はこう返した。
「そうだろ」
「そうなんだよな」
「それでプードルといってもな」
一口にというのだ。
「スタンダードって言われる種類はな」
「ずっと大きくてな」
「そこからだろ」
「品種改良していってな」
「それでな」
そうしていきというのだ。
「小さくなったからな」
「それでトイプードルになったな」
「そうだろ」
「そうなんだよな」
洋介も確かにと頷いた。
「ふわりだってな」
「本当に徐々にな」
「品種改良していってな」
「小さくしていったんだ」
「急に小さくなっていないな」
「最初からな」
「ふわりはこんなに小さくてもな」
見れば近くにいる白い秋田犬とは違う、その秋田犬とは馴染みでふわりはその犬を見ると尻尾をぴこぴこと振っている。
「最初からじゃないな」
「トイプードルもな、大体な」
父はさらに言った。
「犬は元々狼だろ」
「狼を家畜にしてなったな」
「ああ、だからな」
「元は狼の大きさか」
「そこから色々な種類の犬が出来たんだ」
「品種改良してな」
「トイプードルだって犬でな」
そうであってというのだ。
「今ふわりと遊んでる秋田犬のヨモギだってな」
「あの娘もな」
観ればふわりはその秋田犬のところに行って遊びはじめている。
「犬だしな」
「同じな」
「そうだよな」
「ダッグスフントもな」
レース場にはその犬もいて見て言った。
「他の種類だってな」
「柴犬もだよな」
洋介は茶色と白のその種類の犬を見て応えた。
「犬でな」
「他の色々な種類もな」
「同じ犬か」
「ああ、そしてな」
父はさらに話した。
「それぞれの役割に応じてな」
「品種改良されていったな」
「秋田犬は狩猟犬でな」
そうであってというのだ。
「ダックスフントは穴に入ってアナグマを捕まえる」
「それでああして足が短いんだよな」
「狭いアナグマの穴に入るからな」
アナグマを捕まえる為にというのだ。
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