第二章
[8]前話
「ふわりの毛は生きものの業界ではアプリコットっていうのよ」
「その呼び名か」
「濃い茶色ちゃなくてね」
「成程な、トイプードルの毛色も色々だしな」
「白の子も黒の子もいるでしょ」
「茶色でも薄かったりするな」
「その子によって色々で」
毛色はというのだ。
「そう言うのよ」
「覚えておいた方がいいか?」
「そっちの業界に入るならね」
母はそれならと答えた。
「覚えたらいいわ」
「俺はラーメン屋一筋だしな」
「じゃあいいわね」
「ああ、ふわりの毛色はな」
それはというと。
「濃い茶色だよ」
「そう呼んでいくわね」
「これからもな」
「じゃあそういうことでね」
「やっていくな」
「ワン」
話が一段落したところでふわりは鳴いた、洋介はそれを受けて母にあらためて言った。
「今のってふわりもそれでいいってことか」
「犬も人の言葉わかるから」
「ふわりは特に頭いい娘だしな」
「絶対にわかってるわ」
「じゃあふわりも濃い茶色でいいな」
自分の毛色はというのだ。
「そう呼んでいいな」
「ワン」
ふわりは座ったまま鳴いて応えた、それを受けて以後家では彼女の毛色は濃い茶色となった。そう言って彼女と共にいるのだった。
トイプードルの毛色 完
2024・12・22
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