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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第234話:未熟な目覚め
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ァネッサの首を断ち切ろうとしていた。奏はそれを見て咄嗟にヴァネッサの手を引き、諸共に床に倒れ込む様にして彼女をその魔法使いから引き離した。
「チッ!」
「えっ!? なに、きゃっ!?」
「「ヴァネッサ!」」
突然の事態に理解が追い付かないヴァネッサ達だが、直後に聞こえてきた鋏を閉じる音に一斉にそちらを見た。そこではつい先程までヴァネッサの首があった所で、鋏の様に連結させた剣を閉じているグレムリンの姿があった。彼はあと一歩と言うところでヴァネッサの首を絶ちそびれた事に、残念そうに溜め息を吐いた。
「あ〜ぁ、残念。もうちょっとでその綺麗な黒髪と一緒に首を切れたのに」
残念そうだが、口調は何処かおちゃらけている。相変わらずのふざけた態度に、奏は以前の事もあり即座に身構えた。
「テメェ、グレムリン!」
「やっほー、奏ちゃん! 相変わらず可愛いね!」
「はっ、お前なんかに褒められても虫唾が走るだけだ。よくもアタシの前に顔を出せたもんだな?」
怒気を滲ませる奏だったが、グレムリンは全く気にした様子もなく分離させた双剣をジャグリングさせている。本当に道化の様なその立ち振る舞いに奏は咄嗟にギアペンダントに手を伸ばしたが、ハンスが彼女の腕を掴んで後ろに引っ張った。
「ッ、ハンス何をッ!」
「お前はさっさとその未来って女の所に行ってこい。コイツは俺が相手をする。キャロル、そっちは任せたぞ」
「気をつけろ、ハンス。そいつ、只者じゃない」
ハンスは抱えていたガリィとミカを奏に押し付けながら、立ち塞がるグレムリンにダイスサーベルの切っ先を向けて牽制する。キャロルは彼の事を信頼しながらも、同時にグレムリンから感じる得体の知れなさを警戒して忠告する事を忘れない。
久しく聞いていなかったキャロルからの穏やかな気遣いに、ハンスは仮面の下で思わず笑みを浮かべる。
「安心しろ。こんなガキンチョに後れを取るほど落ちぶれちゃいないさ。とは言え、ありがとな」
「あぁ。ハンス、後でな」
そう言ってキャロルは仮面越しにハンスの頬に軽くキスをすると、奏達を伴って壁に穴を開けて強引に部屋から出た。
「こっちだ、先ずはS.O.N.G.に連絡を取る」
「あぁ。お前らも来い」
「え、えぇ」
「さ、ミラアルク、行くであります」
「わ、わりぃな」
壁に開けた穴から奏達が出ていく。その様子をハンス越しに見やり、グレムリンは明らかに面白くなさそうに溜め息を吐いた。
「ちぇ〜、折角久し振りに会えたのに……」
「随分大人しく見送るんだな?」
正直ちょっと意外だった。ハンスとしてはここでグレムリンがキャロル達を止めようと動き、それを自分が守るという展開を予想していたのだ。しかし予想に反してグレムリンは大人し
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