暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第234話:未熟な目覚め
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、ちょっと待てって、な? えっと、あれだ……色々蟠りがあるのも分かるけど、今は一応同じ奴らを相手に共闘するって事で……」
強敵との戦いが終わったばかりで少し一息つきたいと思っていたところでのこの剣呑な雰囲気に、奏は内心で額に手を当てながら主にキャロル達の方を落ち着かせようと思考を巡らす。だがそんな彼女を見てかどうかは知らないが、キャロルは暫し奏の事を眺めると溜め息と共に肩から力を抜いた。
「案ずるな、天羽 奏。別にそいつらに何かをしようと言うつもりは微塵もない」
「え、そうなの?」
「あぁ。何があったかは覚えている。そいつも、あのベルゼバブに操られていただけのようだしな」
エルザに肩を貸してもらいながら体を起き上がらせているミラアルクを顎で指したキャロル。その瞬間、ハンスが一瞬だけ敵意を剥き出しにした。彼からすればどんな理由であれ、キャロルに害を加えるものに容赦するつもりは無いらしい。一瞬襲い掛かってきそうな気配を感じ取り、ミラアルクは顔を青褪めさせて息を飲んだ。が、キャロルが優しく手を上げてハンスの胸に触れればそれも直ぐに霧散した。何者が相手でも容赦しない凶暴な獣も、キャロルと言う唯一の存在にだけは静かに従うのだ。
その様子にまるで猛獣使いの様だと感じながら、奏は一応キャロルに確認を取った。
「取り合えず、キャロルとハンスは味方……って事で良いんだよな?」
恐る恐ると言った様子で訊ねる奏。可能性は低いと思っているが、万が一今キャロルに敵対されては勝てる見込みはゼロに近い。
そんな奏の不安は承知しているのか、キャロルは小さく息を吐くと体を揺らす様に小さく何度も頷いた。
「あぁ……安心しろ。お前達をどうこうするつもりは無い。これでも一応、感謝はしているしな」
そう言って熱の籠った視線をハンスに向ける。キャロルからの視線に、ハンスも仮面越しに見つめ返した。
何だか既視感を感じる光景を前に、奏は話を戻す為咳払いをして現状の整理を行った。
「まぁ、味方だってんなら百人力だ。と言ってもあんまり無茶させる訳にはいかないけど」
「安心しろ。俺が居ればキャロルは幾らでも戦える」
「え? あ〜……ま、何でもいい。取り合えず後は未来だ。こことは別の場所に居る筈だな。お前ら、案内頼むぞ」
当然だが、ジェネシスに加担していたヴァネッサ達は未来が何処にいるのかを知っている。自分達の保護と人間の体に戻してもらう為の条件となるのであれば、その程度お安い御用とヴァネッサが奏達を未来の元へと案内すべく扉の方へと向かおうとした。
「こっちよ、付いて来て」
「おう、頼んだ……ッ!?」
ヴァネッサが奏達を手招きして後ろを振り返っている。その彼女の死角から、緑の仮面の魔法使いが鋏の様な剣を使ってヴ
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