暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第234話:未熟な目覚め
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天井を見上げていると、何時から入って来たのかワイズマンがすぐ傍まで来ていた。メデューサと違い明滅する腕輪の方を見ていたワイズマンは、徐に右手をハンドオーサーに翳し外の様子を覗き見た。
 するとそこには、シャトー上部に浮かび上がった蔦に包まれた胎児の様な何かが存在している光景を確認できた。それを見てメデューサも困惑した様子で外から見た光景とワイズマンを交互に見比べる。

「こ、これは……ワイズマン様? あれが、神の……?」
「ん〜、まぁ……多少は不完全なようだねぇ。中途半端な所でエネルギーの流入を止めてしまったから、完全に覚醒する前の状態で止まってしまったらしい」

 ワイズマンの見解にメデューサは顔を青くした。エネルギーの流入が止まったのは、彼女が緊急パージシステムを作動させたからに他ならない。つまり、神の力が完全に起動せず未来に神の力を降ろす事が出来なかった原因は彼女にあるという事になる。
 自分がワイズマンの計画を狂わせてしまった事に、メデューサは何よりも恐怖を感じてその座に膝をついた。

「も、申し訳ありませんワイズマン様ッ! わ、私が……私が……」

 メデューサの感じている絶望は大きかった。彼女達ジェネシスの魔法使いにとって、ワイズマンは絶対の存在だ。その存在に逆らい、見捨てられる事は死ぬことよりも恐ろしい。彼女は今、己の死以上の恐怖を感じていた。
 しかし彼女の予想に反して、ワイズマンからの反応はそう悪いものではなかった。

「何、ここまで来れば上出来だ。後は足りないエネルギーを補ってやれば、神の力は完全に覚醒する。その前に…………」

 ワイズマンは一旦言葉を区切ると、煙を払うように手を動かしヴィジョンの魔法で映る景色を動かした。スマホやタブレットの画面がフリックするように景色が動くと、そこに映っていたのは記憶を取り戻したキャロルとハンス、そして奏達の姿であった。

「少し、掃除しておくとするか」




***




 一方こちらはジェネレーター室。ファラとレイア、そしてヴァネッサの協力でベルゼバブを倒した奏は、直近の脅威が去った事で安堵しその場に腰を下ろしていた。それと同時にシンフォギアも解除され、元の服装へと戻ってしまう。

「ふぃ〜……」

 分かってはいた事だが、やはり幹部であるベルゼバブは強敵だった。ファラとレイアが損傷していた上に、颯人からのバックアップが完全ではなかったとは言え、ウィザードギアブレイブまで使っておきながらギリギリの戦いであった。少し何かが違っていたら、倒れていたのは自分達の方だったかもしれない。

「はぁ、はぁ……流石に、疲れた……」

 もう颯人から分け与えられた魔力もすっからかんだ。純粋な魔法使いではない為魔力が切れたからと言って激しい
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