力を合わせて
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てもしかしなくても
「まさか……第二形態移行……?」
「あんたも気づいた?」
「鈴さん? 大丈夫なんですか?」
声の聞こえたほうを見ると私とほとんど変わらずボロボロになった鈴さんが、その後ろにはセシリアさんとシャルロットさんがラウラさんを左右から支えながらこちらに来ていました。
それとほぼ同時に箒さんもエネルギー切れを示すようにゆっくりと海上を飛んでいきます。
「皆無事か!」
「ええ、何とか」
そう答えた途端、ISが警告音を発した!
―警告! 敵ISエネルギー弾発射体勢!―
その場にいる全員が上を見上げると、福音が翼で自分の身体を包みこみ球体状になりつつある。あれは……広範囲高密度の殲滅攻撃!
それを見た一夏さんがろくに動けない私達を庇うために福音と私たちの間に入ろうとする。
「何やってんのよ! あたしたちは代表候補生よ! 自分の身ぐらい自分で守れるっての! 集中しなさいよ!」
『お……おう! 分かった』
鈴さんが声を上げると同時に、それに押されるように一夏さんが福音に向かって再度攻撃を開始する。
その突撃を遮るように福音がエネルギー弾の一斉射撃を開始しようと翼を広げ始めた。
「お2人とも! 何でもいいから銃を貸してくださいませ!」
「「え!?」」
私とシャルロットさんが同時にセシリアさんの方を向く。
「あの密度に対応するのはそれなりの弾幕を張るしかありませんわ!」
「それに我々の遠距離武器はもう使えないからな」
「早い話が遊ばせてる銃をよこせってこと!」
ラウラさんの言葉に今の状況を把握する。セシリアさんはライフルを折られているし、鈴さんも衝撃砲を3つ失っている。ラウラさんは『ブリッツ』を両方とも失っているし一番ボロボロだ。箒さんも既にエネルギー切れで2本の刀からの射撃を行うことが出来ない。
つまり私とシャルロットさんの実弾装備の武装を渡すしかない。
「でも私2つしかありませんよ!?」
「ならカルラは一つ誰かに渡して! 残りは僕が!」
「はい! 箒さん、これを!」
「お、おう!」
シャルロットさんに促されて一番近くにいた箒さんに『エスペランス』を渡します。箒さんも一夏さんと同じで射撃武器は慣れてないはずです。大して狙いをつけなくてもいい散弾銃の方が使い勝手はいいでしょう。
シャルロットさんはセシリアさんに狙撃ライフル、鈴さんに重機関銃、ラウラさんにマシンガン2丁の使用許可を出し手渡すと、自身もアサルトカノンを2丁構える。
「来るぞ!」
ラウラさんの声に福音のいるはずの上空を見上げると、そこにあるのは空を覆いつくすほどの白いエネルギー弾の雨。
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