ラッキーは無罪
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して、それならば、もう少し宗茂様はアドリブを増やしていただきたいと思うのだが、こう、もっと情熱カモン……!
そう思ってたら、目の前の侍女が小首を傾げていたので、わざと咳をして、空気を変える。
そして、つい思った言葉を口に出す。
「……自分は未熟ではないという事ですか?」
「む? いや、拙者は未だ未熟者であって、修行不足で御座る。例えば、ここの筋肉とかもう少し着いて欲しいで……」
すると、その部分に嫌気の怠惰の光の輪が生まれた。
おっ、と言う言葉と共にもう何も思うまいと思い、周りを見る。
すると、もう一つ驚きを得た。
……武蔵副長がいない!?
あの副長も馬鹿かと頭の中の冷静な部分がそう告げて来たが、気にしない。
問題はこの場にいないという事はどういう事かという事だ。
……フアナ様が危ない!
見れば、隆包副長も周りを見回して、探しているが見つからないようで、視線がこちらを見てお前が探せと言うアイコンタクトを受け、頷く。
いないのはあの、剣神固有の消える体術。
特務クラスどころか副長クラスでさえ効くあの体術は厄介を通り越して恐ろしいというものがある。
だからこそ、そんな危ない体術はここでネタをばらさせてもらおう。
そう思い、ァは息を止めた。
そして、改めてフアナ様の方を見ると───呼吸どころかすべての生命活動が一瞬停止したかのように思えた。
何故かと言われれば、それはフアナ様の左隣に全裸がいたからである。
全員が鈍い汗をかいた。
何かを言おうとして、酸素を求め、喘ぐように呼吸をして、しかし言えない者がほとんどであった。
何かを言うべきだ、とそれは解っているのに、何を言えばいいのか解らなくなっているという謎の状況である。
そこでフアナの方に動きが発生した。
左手を上げたのである。
その理由は敵味方両方が察した。
恐らく、この嫌気の怠惰で武蔵が動けなくなっている所を、打者たちによる集中打撃で、武蔵に強烈なダメージを与えるという、酷く当たり前の戦術を行おうとする合図を出そうとしているだけなのだろう。
だが、一つ重大な欠陥問題がある
左隣には全裸がいるという事である。
全員が全員、心が一致したと確信した。
何故、全裸でそこにいる……!
疑問に一番比重を置いたのは何故全裸の部分であり、その次がそこにいるという何とも状況的に合わない比重だが、間違ってはいないと全員が再び確信する。
いや、この際全裸なのは許そう。
だが、場所がファナの左隣と言うのが頂けない。
そう───そのままでは気付いていないフアナの手が振り下ろされる時に股間にジャストフィットしてしまうという計算結果があるからである。
一番近
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