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不可能男との約束
ラッキーは無罪
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目を見開き、自らからズレた。
そう答える立花・ァの台詞に俺は普通に感心した。
確かに、その通りである。

「ま、そん通りよ。でもな。こんなのはただの手品だぜ? 周りの奴らを多少驚かせる。そんな程度の技だ。別に、誇るもんじゃねーだろ?」

「戯言を……貴方はこんな相手の癖やタイミングを熟知しなくてはいけないものを、初対面の相手に対して、しかも、この場にいる全員の全てからズレた。正直に脱帽物です」

「それで、諦めるのかよ?」

「それこそ、まさか」

瞬間、立花・ァの姿が一瞬大きく見えた。
無論、錯覚である。
単純に立花・ァという存在の圧力が増しただけである。その事に、口が勝手に笑おうとするのを我慢するのに大変である。

「諦める? たかが、技一つ、知覚外に消える力を知ったから? 成程、確かに凄いですね。貴方が宗茂様を倒した相手と理解していても、純粋に武人として賞賛します。しかし、その程度で諦める等と、こちらを見下すとは……訂正を願います」

それは

「私達は西国無双、立花の姓を持つ武家の者です。それが、たかだか剣神などという存在に対して脅えるなんて言語道断。無双の名を遊びと思っては困ります」

「───上等だ」

余りにも素敵な言葉に敵であり、いい女であるという認識に変える。
道理で、立花・宗茂が格好いい男なわけである。
じゃなきゃ、この女に失礼だというものである。
うちの女衆といい勝負である。
というか、こうじゃなきゃいけねえ。
神に対して刃向おうって奴は、神に対して唾を吐く程度の傲慢くらい持ち合わせてもらわなければ困る。
牙がない獣なんて狩っても腹の足しになどならないのである。

「そこまで言うならペラ回さずにかかってこいよ立花・ァ。ぶった斬ってやんよ」

と、本来なら言っておきたい所なのだが。
生憎だが、どうやら今回は時間切れだったらしい。
少々、はしゃぎ過ぎたぜと別に後悔せずに思わずに、顎コンタクトで立花・ァにそっちの方を見てみろよと示してみる。
そこには、嫌気の怠惰の上位駆動から、解放されたホライゾンが悲嘆の掻き毟りを放とうとしている姿であった。









悲嘆の掻き毟りが放たれる数秒で、全員の動きが連続で瞬発された。
起きた事は、まずは艦事態の動きであった。

「垂直下降ーーー!」

房栄の指揮の言葉により、艦が下降しようとするが、艦橋の方は輸送艦が喰らいついているために、後ろだけが下がるという状況変化しか起きなかった。
そこに次の動きが生まれる。
艦橋に乗っているトーリと点蔵が、救いに来たマルゴットの箒に飛び移り、脱出をしていった。
そして、掻き毟りの砲が放たれる刹那。
更なる動きがまた生まれる。
弘中・隆包とベラスケスは
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