第三章
そして桐山霧夜は覚えていられない。
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」
「多分、お願いが必ず叶う保証がない分だけ奉仕部は無責任ってことだと思うよ。お願いを叶えるには由比ヶ浜さんのやる気とか、なんかそんな感じのものが必要で、楽に願いを叶えられる訳じゃないってことじゃないかな?簡単に言えば俺たちが願いを叶えてあげるんじゃなくて、由比ヶ浜さん本人が自力で願いを叶えられるようになるのを俺たちが手助けするっていうような、俺にとってしてみれば面倒くさくてやってられねぇ、みたいな活動なんでしょ?ね、雪ノ下さん?」
「まあ、そんなところね。桐谷くん、意外とよく理解しているようではあるのだけれど...、一々自分はやりたくないアピールをするのが...気にくわないわ」
すごく怖い顔で睨まれた。...でも、
「まあ、俺の名前桐山なんで怒られても全然悪いことしてる気にはなりませんけどね」
―コン♪言ってやった♪言ってやった♪わーいわい♪...でっ○ちゃんとか古すぎんだろ俺。いや昨日TVで見たよ、俺...。
「くっ...まあ、いいわ。つまり由比ヶ浜さん、飢えた人に魚を与えるか、魚の取り方を教えるかの違いよ。ボランティアとは本来そうした方法論を与えるもので結果のみを与えるものではないわ。自立を促す、というのが一番近いのかしら」
つまり雛鳥を飛び立たせようとする親鳥になれと!...なんてめんどくさい!
「な、なんかすごいねっ!」
由比ヶ浜さんはほえーっと目から鱗で納得しました!って顔をしている。こういう人が詐欺とかの被害にあって損をするんだろうなぁ...。勉強になりました。
それにしても巨乳の子は往々にして...という俗説も世の中に存在するが、その一例に加えても良いんじゃないかなぁ。なあ、比企谷はどう思う?
俺が小声で聞くと比企谷からグッドサインが来た。まあ、当然だよね。
俺はもう三~四度由比ヶ浜さんの胸にちょっと目を向けた後、雪ノ下の塗り壁を見てみた。...あ、貧乳も悪くないな、と思った。超どうでもいい。
「桐ヶ谷くんの言ったように必ずお願いが叶うわけではないけれど、できる限りの手助けはするわ」
その言葉で本題を思い出したのか、由比ヶ浜さんはあっと声をあげる。
「あのあの、あのね、クッキーを...」
「比企谷くん。それと...霧ヶ峰くん?」
雪ノ下がくいっと顎で廊下の方を指し示した。失せろという合図だ。そんなブロックサインを使わなくても「ボウフラが教室に入らないでもらえるかしら、二度と戻って来ないでその辺の水溜まりで干からびてくれるとくれると嬉しいのだけど」って外を指差せば良い...って駄目だな、俺死んでんじゃん。
...それでもボウフラは否定しない俺ってマジボウフラ、惚れる。
俺が蚊の幼虫になっていると比企谷が空気を察して言った。
「...ちょっと『スポルトップ』買ってくるわ」
「じゃあ俺は『
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