第三章
そして桐山霧夜は覚えていられない。
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意したのは別の話だ。それは後で話す。
とにかく俺はいいんだ。死ねって言われても...。
でも比企谷は違う。俺としては比企谷を否定してほしくはないし、それに「死」という言葉は生きている人間に対し「禁句」なのだから。そんな言葉を言えるのはそいつの命を背負えるようになってからだ。
ちなみに他人の命を背負える奴はいないと俺は思っている。誰もが人間の死を受け入れられず、背負いきれず、別の何かに救いを求めようとする。...ま、当然か...。
ちなみに俺は誰が死んでも無関係である。未だに母親は俺をさん付けで呼ぶまである。
まあ、とにかく俺は比企谷に軽い気持ちで死ねと言った由比ヶ浜さんは間違っていると思ったのだ。
これには普段温厚でまったくキレない安全カミソリみたいな比企谷でもさすがに押し黙った。
比企谷はわずかな沈黙の後、確かな怒りを込めて重々しく口を開いた。
「死ねとか殺すとか軽々しく言うんじゃねぇよ。ぶっ殺すぞ」
「―あ...、ご、ごめん。そういうつもりじゃ...えっ!?今言ったよ!超言ってたよ!」
やはりアホの子だ。そう俺の中で確定した。
そして良い人だと思った。ここで謝ることは正しいのだ。
...正直、意外に思った。彼女がリア充集団の一人だということは紛れもない事実であり、彼女の容姿がそーいう感じだということは俺の目に見えている通りだ。
少し落ち着きが無くなっていたかもしれない。視野が狭かった。
人は見た目で判断できない。危うく真実を見余ってしまうところだった...。
俺はどうせ彼女も馬鹿なリア充やその周囲の人間と同様に、遊ぶこととセックスとドラッグのことで常に頭がいっぱいだと...、村上龍の小説かよ。
由比ヶ浜さんは俺と比企谷のこともあったのか疲れてしまったようで小さくため息をつく。
「...あのさ、平塚先生から聞いたんだけど、ここって生徒のお願いを叶えてくれるんだよね?」
微かな沈黙の後由比ヶ浜さんはそう切り出した。...え、そうなの?
「そうなのか、桐山?」
「いや俺に聞くな比企谷。でも『奉仕活動をしろ!』みたいなことは平塚先生に言われていたからね、さほど驚かないよ。...あ、ちなみに言われてただけで俺が本気で奉仕活動をする訳じゃないから。奉仕がどうのこうのっていうのは比企谷と雪ノ下さんの役目だから。由比ヶ浜さん、そこんとこよろしく!ちなみに俺は桐山霧夜っていうんだ。まあ、名乗る必要はないんだけど...」
「...あ、よろしくね。え、えーとき、桐谷くん?」
早ぇよ...。
「いえ由比ヶ浜さんと桐谷くんの言ったことは少し違うわね。あくまで奉仕部は手助けをするだけ。願いが叶うかどうかはあなた次第」
雪ノ下は突き放すように言った。
「どう違うの?
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